「嘘だろ・・・何なんだあのチビは」
「こいつだ・・・!!こいつが今大会唯一の1年レギュラー!!」
Story46. 水面上の接触
「ゲームセット!!」
「強ぇー!!」
「あれが噂の青学ルーキー!!?」
リョーマが勝利したことにより会場が一気に沸き上がる。
「うんうん♪パーフェクトゲーム達成だね!」
「そうだな」
「みんなの調子も良さそうだし・・・。さて、最後の一人は・・・」
私の横をスッと通り過ぎる男。
さっきまで沸き上がっていた会場が嘘のように静まり返った。
「い・・・いよいよ出るぞ・・・」
「手塚国光・・・」
私は兄貴がコートに入っていくのを見届けると背を向けて歩き出した。
「にゃ?えっ、
?」
「
!手塚の試合・・・見ないのか?」
「別にいいよ」
兄貴が勝つのは・・・わかってる。
今日の兄貴は絶好調。いつでも全力の兄貴に勝てる選手はなかなかいないだろう。
適当に会場をブラブラしていると、見知った顔に私は足を止めた。
「おっ?あれは・・・」
「んーっ・・・。やはり九鬼君の言っていた負傷説はデマだったようだね」
「ここ数ヶ月、お前は手塚のデータが取れないと嘆いてたから。今日のは収穫だろ?」
「んんっ。バカ言っちゃいけませんよ部長。手塚君は実力の半分も出しちゃいない。
むしろボク的に要注意なのはあの1年・・・越前リョーマくんかな」
「手塚や不二はともかく・・・あの帽子の1年生が要注意だと言うのか観月?」
「えぇ、ナメてかかるとえらい目にあうだろうね」
癖である前髪いじりをしながらクスッ・・・と余裕の笑みを浮かべた。
「んー、でもボクがいるかぎり・・・青学が聖ルドルフ学院に勝つことは有り得な「ドォーン!!」
ガシャーンッ!!!(事故)
「み、観月ぃいー!!?(汗)」
挨拶のつもりでタックルをかましたら(かますな)
観月さんは想像以上に吹っ飛び、目の前にあったフェンスに沈んだ(顔から)
「チャオ!お久しぶりです。観月さん」
「普通に挨拶できないんですか貴方は!!(激怒)」
「相変わらずウザったい前髪ですね」
「聞きなさい人の話を!!(激怒)」
こうして私は無意識のうちに堂々と対戦相手との接触に成功したのだった。(えぇー・・・)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒロインはただでさえ力と体力がケタ外れなんだから
扱いに注意しなければ。っと今更気付きました(遅ぇえ!?)
頭の中でヒロインを動かしていたらいつの間にか観月さんが
フェンスに顔から突っ込んでいました(あれぇええぇぇ!!?)
2010.10.1