「あちゃー。やっぱりもう始まってたよ」



「ゲーム!ゲームカウント1ー0!!」





まぁ・・・心配いらないか。












Story31.      事故












「にゃ! ー。どこ行ってたんだよぉ」



「萌え狩り」



「も・・・。なに?(汗)」



先輩!!」










1ゲームをさらりと奪ったリョーマはラケットを持ったままフェンス越しに私のシャツをつかんだ。



目はジッ・・・と私を見つめたまま動かない。



も・・・もぉ・・・。持って帰りたい!!(リョーマを)










「ねぇ。あいつ 先輩に抱き着いてた奴だよね」










リョーマが指差す方へ顔を向けると、伊武がベンチに座ってスポーツドリンクを飲んでいた。





そういえば私、なぜか伊武に抱き着かれたんだったな・・・。



うをぉおぉぉ。思い出したら今になって
急に恥ずかしくなってきたぞ!!(赤面)











先輩・・・顔赤い」

「へっ!?うっそぉ!そんなことあるわけないじゃん!!
 ホラホラ!チェンジコートだよチェンジコート!!」

「・・・ふーん」










なぜだかリョーマは急に不機嫌そうに唇を尖らせると帽子を深く被ってコートに戻っていった。










「何だ?なんで急にリョーマはあんなこと・・・」










ハッ!そ、そうだった・・・!!



リョーマは伊武のことが好きなんだった!!(まだ言うか)
※前作参照











コートに入ってサーブを繰り出す伊武。
しかしそのサーブに全員が驚いた。










「ツ、ツイストサーブ!?」

「嘘ぉ!!?」










伊武のサーブはリョーマの顔面目掛けて跳ね上がり、その威力を見せ付けた。










「・・・キミさぁ。まだ何か隠し持ってるでしょ?何か違和感があるんだよな・・・」










伊武の言葉にリョーマはニヤッと笑みを浮かべると、持っていたラケットを右手から左手に持ちかえた。










「当ったり。じゃあそろそろ小手調べはやめて本気出そうか。お互いに」










その事実に不動峰は特に驚いているようだった。





そう、リョーマはサウスポー。










「・・・だったんだね乾くん!ビックリしたよ!!」

「お前・・・今頃気付いたのか?」










それからリョーマは絶好調。積極的にネットに出てどんどんポイントを重ねていった。










「ゲームカウント4ー0!越前リード!!」



「やった!凄いリョーマ!!」










このままなら何の問題もなく勝てる!!

そう思った矢先だった。










ビクッ!!



「えっ?」





スパーン!!










ボールに追い付いていたにも関わらずリョーマは打ち返さずにスルーしてしまった。










「あ、兄貴・・・今?」

「あぁ。越前の動きが一瞬・・・」










・・・・・・・・・・止まった?










リョーマも首を傾げながら自分の腕をブンブン振り回している。
やっぱり何かあったんだ。





そして次のラリー・・・しばらくすると再びリョーマの動きが一瞬止まった。










「にゃろう!」










腕が動かないと感じたのか・・・リョーマは体を回転させて強引に打ちに行った。
次の瞬間、リョーマの手からラケットが抜けてポールに激突。










バキッ!!



「あっ!!」










割れたラケットの鋭い尖端は跳ね返り、リョーマの目を直撃した。










「リ、リョーマ!!!」















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

スポットって怖くないですか?

まぁ・・・伊武も予想していなかった事態でしょうし・・・

眼帯のリョーマに萌えたことは内緒です(オイッ)





2009.1.18