名門・青学とノーシードで決勝まできた不動峰。



この戦いにギャラリーはかなり興奮していた。












Story25.      波乱の第1試合












あのタオルの中身はハゲじゃなくて

橘さんとおそろいの坊主ヘアーだったのか石田ぁぁぁ!!!










私は試合そっちのけで石田と橘さんの禁断の恋疑惑に興奮していた。(前作参考)










「・・・大丈夫か?










隣でノート片手に私を心配している乾くん。
まずい・・・このままでは私は変人じゃないか。(もう十分に変人です)










「別に?大丈夫だよ乾くん・・・」










わざとクールを気取ってみるが・・・笑いを堪えるのに肩がヒクヒクしまくっていた。(ダメだこりゃ)










「そうか・・・」










そう言いながらノートに何やら書き込む乾くん。



バレたか・・・(当たり前です)























「いけ!石田ぁ!波動球!!」










ザワッ・・・!!










不動峰サイドのその言葉にざわめきが起こった。















波動球!?な、何それ・・・!!




















「ヌンッ!!」





ブハッ!!(噴っ)















待て待て石田!ここ真面目なシーンだからボケんなって!!(絶対ボケじゃねぇ!!)




















ズドンッ!!





「えっ・・・?」















思わず固まった。

石田の返した「波動球」はまるで破壊力を持ったボールのように爆発的なスピードとパワーで返ってきたのだ。










「不二くん・・・!?」










あの球を返そうというのか。不二くんはラケットを構えて前へ出た。










「ダメ!不二くん!!パワーが違い過ぎる!!」










私が叫ぶのと同時か、それより早く飛び出して行ったのは・・・。















「不二どけ!!」










「河村!?」


「タカさん!!」















タカさんだった。

タカさんはあの波動球を返し、ガットに穴が空いていた石田は連続波動球を打つことができず
ゲームカウント5ー3というところまでやってきた。









「やった!」っという言葉が青学サイドから聞こえてきたが・・・
私と乾くんは眉をしかめて固まった。














「い、乾くん・・・」

「あぁ・・・」










タカさんの様子がおかしい。

不二くんがタカさんに近付くとラケットを持っている右手を掴んだ。










「イテテテッ!!」

「タカさん!?」

「僕を、かばったんだね・・・」










やっぱり・・・。さっきの波動球で右手を痛めたんだ。










「審判。この試合・・・棄権します」





ザワッ!!










再び開場がざわめいた。

でも・・・。うん、不二くんの判断は間違ってない。
タカさんは試合を続けると言ったが、他のメンバーが許すはずもなく。










「大丈夫だから・・・。ねっ」

「そうだよタカさん!ナイスファイト!!」

「ス、スマン。みんな・・・」















青学のダブルス2は棄権負けとなった。















「一応病院に行った方がいいね。 !冷却スプレー!」

「は、はい!!」










結果は棄権負けだけど・・・。
次の試合はダブルス1!菊ちゃんと大石くんだ。きっと大丈夫。
タカさんも病院に向かったし・・・。










「そうだ。不二くんお疲れ様!タオル・・・」










振り返ると、不二くんが何だか辛そうな・・・苦しそうな表情でジッと地面を見つめていた。















「不二・・・くん?」

「んっ? 、呼んだ?」

「あの、タオルを・・・」

「あぁ、ありがとう。じゃあ次の試合の応援に行こうか」

「うん・・・」















いつも通りに笑ってくれた不二くんだけど・・・。



その笑顔に、何だか違和感を感じて・・・。















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

タカさぁぁぁん!!!

このシーンが好きな人って他にもいますよね?ね!?

あの頼りになりすぎる「大丈夫だから・・・。ねっ」

好きです!(わかった。わかった)







2008.5.12