ガラッ!




「すいませーん!!今日からこの学校に通う でー」

「おっそ―――――いぃ!!!」






ピシャ―――――――――ンン!!!!


「ぎゃん!!?」












Story3.      ターゲットを追え!!












「先生痛ぁい!!体罰反対!体罰反対!!しかもハリセン!?古っ!!」

「うるさい!転校初日から遅刻する奴がいるかぁ!!」





ここにいるじゃん!!!(オイィ!!)





「はぁ・・・。まぁ来たならいい、今から教室行くぞ」

「はーい♪」




先生に連れられ、授業が終わったばかりの教室へ案内された。






うわぁ・・・みんなこっち見てるよ。大注目だよ。やっぱり緊張するー!!





「朝言った転入生を紹介する!!じゃあ名前とかは朝、説明しちゃったから簡単に自己紹介だけして」





「はい!えっと・・・。みなさん初めまして!!今日からこのクラスの一員になります です!!
 好きなことは運動!嫌いなことは勉強!!以後よろしく☆」





本当に簡単だー。(自己嫌悪)
もっとほかにないのか自分!!!








「はい質問!運動が好きって言ってたけど前の学校では部活何やってましたかー?」






きたきた――!!!転校生お決まりイベント発生!!その名も
『質問の嵐』!!!(はぁ?)





転校生は決まって質問の嵐に遭い、学校中を追われる羽目になるのよ!(ありえない)








「はい!部活はなんでもやりましたw
 テニス・バスケ・柔道・剣道・その他もろもろ・・・。
 よく大会に借り出されては行くたび行くたび目の前にいる敵を
 薙ぎ倒し気がつけば毎回表彰台に上ってたりしてました。
 でも今はすべて飽きてしまい何の部活にも入ってません☆」







すると教室にいた生徒、先生までもがポカンッと口を開けて私を見つめた・・・。















キーンコーンカーンコーン・・・。




学校にお昼を知らせるチャイムが鳴り響く・・・ここは「やったー!お昼ご飯だーい♪」っと
単純に喜びたいのだが、今の私はそうはいかない。





ちゃーん!うちのバスケ部に入って―――!!!」


「きた――――――っ!!!(汗)」








朝からこんな感じで・・・もぅなにがなんだか。



とりあえず私は現在、後ろに各部活の部員さん達を引き連れて
廊下を爆走中(テニスバッグを抱えて)








いやいやいやいや。
まさか本当に学校中を追われることになるなんてなぁ(しみじみ・・・)
廊下を擦れ違う先生は「廊下を走るなー!」とかお決まりのセリフを吐きやがるが
私の後ろにいる血相変えた人達を見て言葉を失ったもよう。










フハハハハ!!驚いたか!?私もビックリだ!!!!(汗)







しかも・・・増えてる!増えてるよ!?追いかけてる人達増えてるから!!
本気で身の危険を感じ始めたよ私は!!(汗)












ドンッ!!


「うわっ!!」

「うをっ!?」




私が目の前の角を曲がったら、あるはずのない壁に思いっきり体当たりをして後ろに尻餅をついてしまった。




「いったぁ・・・」

「悪ぃ。大丈夫か?」




フッと前を見れば、背が高くていかにもスポーツをやりそうな男子生徒が両手いっぱいに
パンやらジュースやらを抱えて立っていた。
私がぶつかったのに平気で立っていられるなんて・・・やるわね。





「平気平気!私の方こそゴメ・・・」


「どこ行った――――っ!!!!」

「ッギャ―――!!!もう来たぁあ―――!!!」





「あ?あんたもしかして噂の転校生?」

「へっ?あぁ・・・噂なのかは知らないけど今日転校してきたのは私だよ」

「へぇ?あんたが・・・そーいうことなら手ぇ貸すぜ!!」

「手?・・・うわっ!!?














バタバタバタッ!!



「どこに行った!?」

「いなくなっちゃった・・・」

「1階じゃない?下!!」

「よしっ!!」


バタバタバタッ・・・・・。













「・・・・・行ったな」

「あ、ありがとぉ・・・もう本当にビックリしたよ何あれ?」

「あれ?部活の勧誘じゃん?」

「勧誘!?あれは完璧に勧誘の域を越えてるよ!!」




急に腕を引っ張られて連れ込まれたのは、どこかの資料室。
あんまり使わないせいか鍵は開いたままだったらしい。






「ここならそう簡単には見つかんねぇよ。そういや自己紹介がまだだったな?
 俺は桃城武!桃ちゃんでいいぜ」

「桃城?私は !よろしく」

か。しかしこんな形で噂の転校生に会えるなんてなぁ!」


「ねぇ。さっきから聞きたかったんだけど・・・噂って何?
 あ、もしかして転校初日から遅刻した女という異名がすでに知れ渡っているのね?




「なんだそれ?噂聞いてねぇのかよ。すっげーんだぜ?お前さぁ・・・
『自分が借り出された大会で、目障りな敵を薙ぎ倒し消してから
 毎回無理やり表彰台に上って頂点を勝ち取った
んだって?」

「なんかすっごい尾ひれ付いてるね!!
 この学校が流す噂って恐ろしいね!!」






いや、たしかに似たようなことは言ったけどさ!!(滝汗)
無理やりってなによ!無理やりって!!私が戦闘不能にしたみたいじゃない!!!








「もぅ1年から3年まで知れ渡ってんぜ?
 そんで、各部活の部員達がそんなにすごい奴なら是非うちの部に!!って勧誘してるわけ。
 この時期に転校生ってのも珍しいしな」

「あー。じゃあ追っかけが増えてたのは部長・副部長のみなさんだったってわけね。
 面倒なことになったなぁ・・・このまま下手に動いたら捕まるのがオチだし。この部屋で昼食とっちゃおうかなぁ」



「その方がいいかもな。あ!だったらさぁ俺と一緒に」

「ギャア――――――――ッ!!!!!」


「ど、どうした!!?」


「お、お弁当が・・・ない。忘れた!!」

「あちゃー。マジで?」

「失敗したぁ・・・しょうがないなぁ。購買行くか!ついでに見つからない場所を探して
 ・・・・・・・・うん?」







桃の隣にある窓が気になった私は、桃の前を横切って窓から外を覗いた。
すると、ほとんど人がいない裏庭がよく見えた。





「うわぉ!あそこなんか人いないじゃん!あそこに行こっと!!」

「なんだもぅ行っちまうのかよ?じゃあまた危なくなったら助けてやっからな」







「ご心配ありがとう。でも大丈夫・・・私は追われても、捕まるほどのろまでもないんでね」







そう言って はおもむろに窓を開けて足をかけるともう1度俺の方を振り向いた。


「今回は助かったよ。この借りは必ず返すから!またねぇん♪」








片目を閉じてみせると、そのままバッと窓の外に身を投げた・・・・・って?





「はぁあ!!?ちょっ!ここ2階!!!」



俺はすぐさま抱えていたパンやジュースを床に落とすと窓に駆け寄り下を見下ろした。
すると、すぐ下にある物置の屋根にうまく着地した が目に入った。


その屋根からまたピョンと、今度は地面に着地すると俺に向かってニヤッと笑い
手を振って裏庭に消えていった・・・・・あるものをチラつかせながら・・・・・。












「あっ!!俺の焼きそばパンとジュース!!!」





さっき前を横切ったときにスったのか?
力が抜けて、俺は壁を背に座り込んだ。











「は・・・ははっ!すっげー奴が転校してきたもんだな!!」







楽しくなりそーだ。


そんなことを考えながら床に落としたものを拾い集めて俺は資料室を出た。

















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
桃ちゃん登場!!うっす!!!


ヒロインちゃんは勉強はできませんが

運動能力はどこぞの不良さんに並ぶほどです。


・・・まぁつまり何でもやってしまいます。








2006.4.16