ちゃんと言葉にできれば簡単なのに・・・。








の好きなとこ








「リョーマ!おはよ。」








俺の肩を後ろからポンッと叩いていつもの笑顔を浮かべる。








「おはようってばリョーマ。この 様に朝の挨拶はどうした?ん?」

「何様っスか・・・」

「おっはよ♪」

「ちっス・・・」








1つ上の 先輩・・・この人が俺の悩みの種。








「なに?じーっと見ちゃって」

「別に・・・」

「じゃ、また部活でね!リョーマ」

「あっ・・・」








さっさと俺を追い越して走っていくと、今度は桃先輩を見つけたのかタックルをかましてた。













また・・・言えなかった。



今日の 先輩、髪型いつもとちょっと変わってた。








「今日はいつもと髪型違うんスね」



たったその一言なのに・・・。










「はぁ・・・」










最近は溜息しか出てこない。

こんなウジウジしてんの、本当は好きじゃないのに・・・でも。








今この気持ちを言ったら・・・あの人は困った顔をするんだろうなぁ。

その逆だったら・・・いいのにさ。































「次の授業何だっけ」

「お前の得意な英語だよ。ところでさ、宿題見せてくんね?」

「サボろ。」

「えっ!?おいっ越前!!宿題置いてけー!!」








教室を出て屋上へ続く階段を上がって行く。
今日は天気がよかったから昼寝できそう。








「あれっ?生意気リョーマ君じゃん」

「えっ?」








後ろを振り向くと、声でもうわかってたけど驚いた。



先輩が・・・笑ってそこにいたから。











「奇遇だね!リョーマもサボり?」

「じゃあ 先輩も?」

「ピンポーン♪」








タンタンタンッと軽快に俺の横を通り過ぎて、あっという間に1番上まで上っていった。








「へへっ。じゃあ一緒にサボろっか♪」










まったくさ・・・呑気だよね。

その一言で俺がどれだけドキドキしてるかも知らないで。










屋上へ出ると 先輩はすぐに仰向けに寝っ転がって空を見上げた。

俺はその横に座る。








「ねぇ。リョーマ?」

「なんスか」

「・・・やっぱ何でもない」










わっ。危なく笑いそうになった。



だって 先輩・・・髪いじりながらすねた顔したら、嫌でもわかっちゃうよ?








「そーいえば 先輩・・・今日はいつもと違う?」

「えっ!?」








ガバッと起き上がるとハイハイするみたいに俺の前まで移動してくる。








「わ、わかる!?」











あ、ヤバイ。

キラキラした笑顔で期待されちゃ・・・俺の悪い癖が出る。








「全っ然わかんない」

「ふぇ!?」








ほらっ、また言っちゃった。

その困った顔が見たいがためのイジワル。




本当は全てが可愛くてしょうがないくせに・・・それを隠すかのようにまた意地悪。

もしかして俺って・・・重症?










「どうかした?」

「あ、いや・・・わからないならいいんだ。うん。ゴメンね」










コロコロ変わるその顔も、可愛くて俺は好き。

もっと知りたい。

先輩のこと・・・もっと。










「ねぇ。 先輩?」

「なに?」










笑った顔も、すねた顔も、泣き顔も・・・。

全部見たい。






他の奴と楽しそうに話してるところを見てイライラするのも、
笑った顔見ると嫌だったこと全部忘れちゃうのも、
元気ないと気になっちゃって練習に集中できないのも・・・。



全部全部あんたのせい。








わかってんの?俺があんたに夢中だってこと・・・。

ちゃんと伝えられるようになったら言ってやる。










「好きだよ」って・・・。










それまで覚悟してなよ? 先輩…。













「呼んでみただけっスよ」















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

平井堅さんの曲「君の好きなとこ」を聞いて

そりゃあもうビビッ!!っときちまいましたよ!!!

だってどう聞いてもリョーマしか浮かばないんですよ!?

ってことで・・・「君の好きなとこ」を聞いて夢にしてみました。

ちょっと素直じゃないリョーマさんと、気付いて欲しいヒロインちゃん。

この恋が叶うにはものすっごい時間がかかりそう・・・。





2007.4.22