「じゃあ、これを放課後までに頼むな。
」
「わかりました・・・」
遊びにいかないか?
学級委員。生徒会副会長。
そんな邪魔でしかない荷物を持つ私、
は何をするわけでもなく
ただボーッと赤く染まっていく空を窓越しに見つめていた。
いや、本当は今机の上にある資料を今日中にまとめ上げ
提出しなければいけないのだが・・・。
「ありえないっしょ・・・こんな量の資料」
机の上に山積みにされている紙を見つめ、また1つ溜息を吐いた。
ガラッ!!!
「あっ!
さん!!」
「あれっ?タカさん?」
急に教室のドアが開いたかと思えば・・・
同じクラスの河村くん。確か部活はテニス部。
「部活の帰り?」
「うん。まぁ・・・
さんは?」
「・・・生徒会の仕事デス」
タカさんは私の机の上にある資料の山を見てあんぐり口を開けた。
「えっ?えっ?これ全部??」
「全部でーす」
「
さん1人で?」
「でーす」
おーぉ。驚いてる驚いてる。
タカさんって本当・・・顔に出やすい。
「これを今日までにね、まとめて提出しなきゃいけないんだー」
「大変そうだね・・・」
「うん。まぁ頑張って終わらせるよ!!」
とは言ったものの・・・。
正直終わるか微妙なとこ・・・もしかしたら終わらないかも。
「俺、手伝うよ!!」
へっ・・・?
「ちょっ!いいよ!!」
「なんで?俺部活終わって暇だし、手伝いくらい何でもないよ?」
「そ、そんな!!疲れてるでしょ!?タカさんは帰って休みなって!!」
そんな私の声を無視するように、タカさんは前の席に座って
体を私のほうへ向けた。
「
さんだって、こんな仕事早く終わらせたいだろ?」
「でもっ!」
「1人より2人の方が早いと思わない?」
ニコニコと向けるその笑顔は、私の中で無駄な力を全て抜き去ってくれる気がした。
「早く終わらせて帰ろう。ね?」
「じゃ・・・お願いします」
「うん♪」
そういえば・・・。
前にもこんなことがあった気がするなぁ。
いつだっけ?
やっぱり生徒会の仕事で大量の資料を運んでたとき・・・
後ろからヒョコっと現れて同じ笑顔で
「手伝うよ」
って半分以上運んでくれたんだっけ。
それも1回や2回じゃない。
いつでも・・・何回も・・・。
「ねぇ。タカさん?」
「なんだい?」
「なんでいつも私を手伝ってくれるの?」
資料をファイルにまとめるタカさんの手が止まった。
「迷惑・・・だった?」
「違うんだけど、いつも私が仕事してるとき
タイミングよく現れては手伝ってくれるじゃん?」
「そうかな?」
「それにタカさんが手伝ってくれた仕事はすぐに終わるし」
んー。っと考えるように窓を見つめて静かな教室に
タカさん1人の声が響いた。
「好きな子を助けたいって思うのは普通じゃないかな?」
「ふーん・・・・・えっ?」
今度は私の手が止まった。
「
さんって、お願いされたら断れないタイプだろ?
だからなんでも背負っちゃうし誰にも助けてもらわないし・・・」
「えっ?えっ?」
「笑ってる
さんって見たことないからさぁ
俺、思ったんだ。俺にできることは無いかって・・・」
ドサッ。
「俺が
さんのために何かできないかって」
そこには、綺麗にまとめられた資料が並べられていた。
「仕事、これで全部だよね?」
「う、うん」
「この後、時間あるかな?」
「う、うん?」
「遊びに行かないか?」
勉強ばっかりしてないで、いい子のフリなんてやめて。
遊びにいかないか?2人で。
勉強なんて今日はヤメヤメ。
たまには遊ばなきゃダメダメ。
笑ってる君の顔が見たいから。
■
ガラッ。
「
さん!!」
「残念。仕事はもう終わりましたー」
あらら。っと残念そうな笑い方をして・・・
タカさんは私の隣に腰掛けた。
「今週の約束いきなりキャンセルで本当にゴメンネ!!」
「いいって。テニスの試合じゃしょうがないよ」
「でも・・・」
「あ、じゃあ!試合見に行ってもいい?」
「えっ?俺の?」
「ダメ、かな?」
「いいに決まってるよ!」
下ばかり向いていてもダメ。
たまには全て放り投げて笑うことも大切だと。
私はあなたに教わったの。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
わーい!タカさん夢ー♪
題名を見てお気付きの方もいるでしょう。
タカさんのシングルCD「遊びにいかないか?」
あの歌詞可愛すぎですよー!!!キャーvvv
また誰かの歌にそって夢書きしたいと企んでいます!!!
2006.7.23