命を賭ける。
冗談やいい加減な気持ちで口にできる言葉じゃない。
誰かのためか・・・欲望のためか・・・
それとも・・・。
Act.25 × バトル・2 ×
タタタタタタッ・・・!!
「麗、気になりませんか?」
「何が?」
ダンッ!!
廊下をまるで滑るように音もなく駆け抜け、階段は殆ど飛び降りながら聖と麗は会話を続けた。
「
さんが我社に入った理由・・・そして、今回のミッションに急きょ参加が決まった理由です」
「そうね・・・拓は『社長命令』としか言わなかったから」
「君も気付いているでしょうが、彼女は普通の人間です。
特別な力も技術も持たない・・・私達が1番、憧れる存在」
「時計の鍵・・・それを見付けるための重要人物にはとても見えないわ」
「私もです。いったい彼女にはどんな秘密が・・・ハッ!麗!!」
「っ!!?」
ガチャガチャガチャ!!
聖が叫ぶと同時に左右へ別れ飛びのくと、
避けなければ頭に直撃だったであろう床にナイフが10本以上突き刺さっていた。
「こんな時に・・・!!」
「まだ潜んでいましたか」
ダダンッ!!
ナイフが飛んできた方向から表情のないニンギョウが3人現れる。
聖と麗は同時に構えた。
■
「
!!」
「わっ!?」
ドサッ!!
後ろから腕を掴まれて、そのまま廊下に倒れ込むと零時はハァーと溜め息をついた。
「戻って何する気ぃや。もう1度言うで・・・あいつはニンギョウで、俺らの敵や」
「だ、だけど!!」
「だけどやない。あいつらには感情も感覚もなんも無い・・・ここで壊しとくんが1番ええねん」
壊す・・・。
零時さんの目は本気だった。
「殺す」 でも 「消す」 でも 「倒す」
でもない、残酷な言葉・・・。
「壊す・・・?」
「あぁ。せやから・・・」
「でも・・・」
次の瞬間、零時さんは驚いたような表情を見せた。
「
・・・何で泣いてん?」
その時初めて、私は泣いていることに気付いた。
何かのストッパーが切れてしまったかのように・・・私の涙はポロポロ零れて止まることはなかった。
「あの子・・・寂しそうだった」
苦しそうに、もがいて、あがいて・・・それでも光が見つからなくて。
不安、恐怖、絶望、空虚・・・全てが胸にのしかかった。
寂しくて、怖くて、誰もいなくて・・・私には見えた。
彼の・・・ 「内なる自分」
「助けてあげなきゃ・・・あの子は、幸せを知らないまま・・・
1人ぼっちのまま『本当の自分』を失っちゃう・・・!!」
「
・・・何言ってん?」
あるわけない・・・ニンギョウはニンギョウや。
感覚なんて感じひんのに、感情なんてあるわけないんに。
寂しそうやったって?本当の自分やって?
は・・・あのニンギョウの 「なに」 を見たん?
ババババンッ!!
「ハッ・・・」
少年の指から打ち出された炎の弾丸を避けながら、拓は手の平を壁に押し当てた。
「悪魔の化身・・・影絵!!」
ズッ・・・ズズズズッ・・・!!
「・・・ぁっ」
壁を這うように動いた影はやがて1つの魔物に姿を変えた。
全て、全身が闇で真っ黒なはずなのにギラリッと光る牙に恐怖を感じる。
「こりゃ・・・すげぇや」
見上げながら呆然とする少年。
拓は瞳から髪の毛1本に至まで殺気を放ちながら影絵に告げた。
「喰え」
ガパッ・・・!!
魔物が口を大きく開けると、壁から剥がれ実物となり・・・
一直線に少年へ向かって飛び掛かってきた。
「火炎銃!!」
少年が人差し指だけを立てて魔物へ向かって叫ぶと、指先からまるで銃弾のように火の玉が飛び出した。
バンッ!バンッバンッ!!
しかしそれは・・・全て魔物の身体に吸収され、まったくの無効となってしまった。
「 『影』 は全ての 『化身』 だ。全てを飲み込み・・・全てを消し去る。終わりだ」
目の前まで迫って来た魔物を見て、少年は怖がるわけでもなく・・・
ただ静かに・・・瞳を閉じた。
「これで、やっと・・・」
× ―――――――――― ×
あぁああぁぁぁぁああぁぁ―――――・・・。
文才が欲しいぃいぃぃいい!!!
誰か文才を50円で売ってくださいませんか(安いな
もっと、バトル中の臨場感とか緊張感を感じさせるような
描写が書けるようになりたい・・・・・。
2010.6.2