心とは何だろう・・・?
心臓?
それとも脳?
ココロとは何だろう・・・?
Act.24 × バトル・1 ×
「零時、
連れて下がってろ」
「せやけど拓!こないな所で暴れたら!!」
「まだ死にたくねぇだろ・・・」
「逃げるで
ー!あいつ本気や!!」
「えっ?わっ!?」
ガシッ!と脇に抱えられながら零時さんは私を部屋から連れ出した。
「ま、待って!拓!!」
後ろを振り返った時には、すでに拓の背中が遠くなっていた。
「れ、零時さん!戻って!拓を止めないと!!」
「アカンて!今戻ったら
・・・とばっちりで死ぬで!!」
「でも!あの子とは戦っちゃダメなんです!!」
零時が
を連れ出したのを確認してから、拓はフーッと息を吐いた。
「やってくれたな。『アリス』の情報部を潰して隠し通路を全て開けたのはお前だな?」
「当たり♪」
「
を連れて行ったのは?」
「悪魔と一緒にいる呪われた女なんて面白そうじゃん。
それに・・・あの女を連れていけば悪魔とこうして戦えると思ったんだ」
少年はグッ!とその場にしゃがみ込むと、床を蹴り上げ天井近くまで跳び上がった。
「来いよ!悪魔!!」
拓は目を閉じると手の平を下に両腕をバッ!と左右に開いた。
「サークル」
フォン・・・!!
次の瞬間、拓の足元から両腕の範囲にかけて黒い円のような水溜まりが出現した。
「なんだ・・・?」
「浸蝕!」
ザンッ・・・!!
拓が思い切り右腕を少年に向かって振るうと、黒い水溜まりは蠢き・・・
まるで生きている闇の帯かのように少年に襲い掛かっていった。
「あれが他のニンギョウ達を飲み込んだ悪魔の力か・・・」
呑気なことを言っているうちに目の前まで迫ってきた闇の帯。
少年は「×」を作るように腕を前で交えると、手の平を開き闇の帯に向けた。
「火技。火門番!!」
ゴォッオ・・・!!
腕から出現した炎は体全体を包み込み、やがて巨大な壁を作った。
「へぇ・・・?」
炎に包まれた少年は床を転がり、白い煙りを立ち込めながら立ち上がった。
「悪魔の力の原理って、どうなってんの?気味悪ぃんだけど」
「お前にだけは言われたくねぇよ」
「あ、先に言っておくけど俺、殺す気でいくから」
「あぁ。そりゃ助かる・・・それならこっちも遠慮なくやれるからな」
ドンッ・・・!!
拓は全身を黒いオーラで包み込み、少年は全身を真っ赤な炎で包み込んだ。
「「本気で来い!!」」
■
「とにかく・・・主犯が分かった今は神姫兄ぃ、神姫姉ぇと合流するんが1番や!!」
「零時さん!お願い!さっきの場所に返して!!」
「まだそんなこと言っとるんか!?アカンて!戻って何する気ぃや!!」
「2人を止めます」
「絶対無理やって!しかも何でそんなことするん?
あいつは敵に分類される・・・ニンギョウなんやから廃除せなアカン!!」
「だ、だけど!あの子は・・・!!」
ザッ・・・ザザッ・・・!!
『零時?零時。聞こえてる?』
「あ!神姫姉ぇか?よかった・・・繋がって。
、ちょおここにいたってな」
「あ・・・はい」
『良かった。無事だったんですね・・・
さん』
『あんた達今どこにいるの?拓に連絡が取れないんだけど・・・』
「それがややこしい事になってん。とにかく合流せぇへんか?」
『何かあったんですか?』
「拓が妙なニンギョウと本気でバトル始めてもうた。
あと、この宝石店にはとんでもない秘密が・・・。あ?あぁああ!!?」
『零時?』
「
!待ちぃ!アカンて!!」
零時は振り向いた瞬間、叫んだ。
さっきまで隣にいたはずの
が、元来た道を走って戻っていたのだから。
『零時!?
ちゃんがどうしたの!?』
「アカン!とにかく来てぇ!?2人がいてへんと・・・俺1人じゃどうにもならん!!」
そこで通信が途絶えた。
麗と聖はお互いに顔を見合わせると無言で頷いた。
拓・・・!拓、待って・・・!!あの子と戦わないで!!
あの子は・・・あのニンギョウは・・・!!
「初めから死ぬ気なんだ・・・!!」
× ―――――――――― ×
すんごい久しぶりの更新で申し訳ないです。
拓が悪魔の力を使って戦う描写をするのは初めてか?
いや、1回あったような気がするけど短かったしな。
あ、ニンギョウの少年の「火技!」は「ひぎ!」です。
「ひわざ!」だとゴロは悪いうえにダサかった(笑)
2010.1.29