「ちょっ!何言ってるの!?」
「
!それ本気で言ってるん!?」
「・・・はい!!」
Act.18 × mission・1 ×
「本人が決めたんだ。今夜・・・
も連れていく」
「何度言ったらわかるの!無茶よ!!」
「せや!もし戦闘になったらどないするん!!
は俺らとちゃうんやで!!?」
「わ、わかってます!!」
シンッ・・・とその場が静かになる。
私は強い意思を伝えるように顔を上げた。
「皆さんに迷惑をかけることは分かっています!でも・・・行きたいんです!行って、確かめたいんです!!」
しばらくしてハァ・・・。という溜め息が聞こえたかと思うと、麗さんが私の手をそっと握った。
「あのね
ちゃん・・・何も私達は迷惑だなんて考えてない。
心配なのよ?
ちゃんはまだこの世界で生きていけるほど堕ちていない」
「麗さん・・・」
「ところで・・・確かめたいと言いましたか。一体何を確かめたいんです?」
食器を洗っていた聖さんの問いに、私は視線を外した。
「それは・・・」
「別にいいだろ。そんなこと」
後ろにいた拓に全員が振り向く。
「拓!よくないわよ!何が起こるかわからないのよ!?」
「だから。それを全部承知でこいつは行きたいって言ってんだ。それに・・・」
拓は私の肩に手を回すとグッと引き寄せた。
麗さんを離れた私はそのまま拓の腕の中にスッポリ収まる体勢になった。
「こいつは俺が守る。文句あっか?」
麗さんは固まり、零時さんは絶句・・・。
聖さんは「おやおや」と笑い、私は・・・爆発寸前だった。
「たく!?なっ!!」
「それにこいつを連れて行った方が後々役に立つ」
「えっ?」
何の事かという視線を向けたが拓は何も言わずに私から手を離した。
「とにかく今夜、詳しいミッションを知らせる。各自準備だけはしておけよ」
「「「Yes.」」」
麗さんと零時さんは多少不安げではあったが3人とも最後には声を揃えて返事をした。
■
深夜1:32
私と拓はビルの陰から顔を覗かせて目の前にそびえ立つ高級宝石店『アリス』を見つめた。
「ここに鍵があるかもしれないんだね?」
「ま、情報が確かならな」
拓は耳に小型のイアホンがハマっていることを確かめると、服の襟についている小型マイクを口に寄せた。
「零時、配置に着いたか」
しばらくすると小さなノイズの後に零時さんの声が私のイアホンにも届いた。
『おぉー。バッチリや!裏門には誰もいてへんで』
「麗と聖は?」
『OKよー』
『合図があればいつでも』
「よし」
腕時計で時間を確かめると、拓は腰についていた小さな鞄から何かを取り出し私に渡した。
「持ってろ。護身用だ」
「なに?」
受け取るとそれは黒く冷たい・・・手の平サイズのリモコンのような物だった。
「スタンガンだ。もし危なくなったら使え」
「スタンガン!?」
それを聞いた私はスタンガンを拓に突き返した。
「こ、こんなの持ってる方が危ないよ!返す!!」
「バカ、護身用だっつったろ。それにコレで人は殺せねぇ、少し気絶させるだけだ」
「でも・・・」
「だから念のため持っておけって言ってんだ。別に使わせたりしない」
「・・・わかった」
実は自分がこんな危険な物を持つということが少し恐かった。
でも・・・拓の言う通り、自分の身ぐらい自分で守れなきゃ皆に迷惑がかかる。
はジャケットの内ポケットにスタンガンをしまうと大きく息を吐いた。
「中に入ったら絶対に俺から離れんなよ」
「わかった」
「もし1人になるような事があったら隠れて、俺が迎えに来るのを待て」
「うん」
強く頷くと、拓はニヤッと笑いながら私の頭に手を置いた。
「よし。行くぞ」
『『Yes.』』
そしていよいよ・・・私の歯車は狂い出した。
× ―――――――――― ×
キャラクターがだんだん固まってきた・・・かな?
なぜか1番出番が多い拓が1番書きにくいっていう・・・。
よし!いよいよミッション開始だ!!
頑張ります!!
2009.4.11