――― 約束 ―――
「周くん・・・。私・・・今度引越しするの・・・。だからね。もう会えないの」
「じゃあ、僕と
で約束しよう!10年後、この木の下で会おう。会えたら・・・その時言うからね・・・」
「ん?何を?」
「いいや。なんでもないよ。2人だけの約束だよ!」
「うん!私、絶対に戻ってくるよ!」
――――― バイバイ ―――――
■
「んー・・・。あ・・・夢か。なんだかなつかしいな・・・。周くん元気かなぁ」
ふっと、カレンダーを見てみると今日の日付は、あの約束をした日から10年たった日だった。
「あ!・・・今日かぁ・・・。でも、本当に来てくれるか分からないし・・・。
きっと周くんだって忘れて来ないよね。行ってもムダだよ。うん。あ、そうだ!
今日は
と遊ぶ日だっけ!!準備しなくちゃっっ」
っと、
は出かける準備をし始めた。
「よし。これで準備オッケー・・・って、あれ?メール入ってる。誰からだろう・・・」
メールを開いてみると
のアドレスからだった。
件名 ごめん!!
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内容 本当にごめん!急な用事が入っちゃって
行けなくなった・・・!!!
今日はキャンセルでお願い!!
本当にごめん!!!
それは、今日の予定がキャンセルになってしまったメールだった・・・。
「うそぉ〜。せっかく準備したのに・・・。まぁ、でもしょうがないよね・・・。
それにしても・・・このまま家にいるのもたいくつだしなぁ・・・。出かけてみようかな」
なんとなくその時の気分で、
はお気に入りの靴をはいて玄関の外へと出た。
■
「うわぁ〜。なつかしいなぁ。景色も前と全然変わってないし!ちょっと探検してみようかなぁ〜」
青春台駅を降りた
は、10年前に住んでいた町並みを見に行った。
そこは10年前と全く変わっていなく、お店や家、道、公園など、なつかしいものが沢山あった。
どれくらい時間がたっただろうか。
空は夕焼け色に輝いていた。
時刻は5:30・・・。
「あー・・・。もうこんな時間。そろそろ帰たなくちゃ」
慌しく帰ろうとする
の頭に、ふっと朝の木の事を思い出した。
「そういえば・・・あの木、この近くにあったはずだよね・・・」
自然と
の足はあの思い出の木のあった方へと歩いていった。
少し歩いた先には、もともと大きかった木がさらに大きくなった1本の木があった。
「・・・おっきぃ・・・。こんなに大きくなったんだ」
木に感心しつつ
は辺りを見渡した。
しかし、人のいる様子はまったくなかった。
「ふぅ・・・。やっぱり来るはずないよね・・・。バカだ私・・・何期待してるんだろう・・・
10年前の約束なんて・・・覚えてる方がすごいもの・・・・」
来るはずがない・・・そう思ってもやはりショックは受けてしまうものだ。
「・・・帰ろう・・・」
突っ立っていてもしょうがない。と、歩き出した
。とその時
「
?」
の後ろから1人の声が聞こえてきた。
「えっ?」
思わず振り向く
。その目の前には10年前の面影がある人・・・不二だった。
「周・・・くん?」
「
?やっぱりそうなんだ!」
「う・・・そ・・・。本当にあの約束覚えててくれたの・・・?」
「勿論だよ。忘れるわけないじゃないか」
もしかしたら、たまたま思い出しただけかもしれないのに・・・それなのに、嬉しくて。
「
・・・・・?泣いてるの?」
「ちがっ・・・泣いてなんか・・・・ない」
かわいくない。自分でもわかってしまう。つい、強がりを言ってしまう自分が大嫌いだ。
――――― クスッ・・・・・。
・・・えっ?今、笑っ ―――――。
「相変わらずだね。
。・・・・・でも」
――――― ギュッ ―――――
「・・・でも、そんな君が、僕は大好きなんだよ・・・」
「う・・・そ・・・」
信じられない。まさか・・・周くんが・・・・私を―――?
「本当だよ。10年前に言いたかったんだけど、ここまで引き伸ばしちゃったんだ。
あの時はまだ言う勇気がなくてね・・・でも、今なら言えるよ」
不二は
を腕から放し目を合わせると・・・言った。
「好きだよ
・・・・・この気持ち、受け取ってくれる・・・?」
「そんなの・・・・・」
決まってるじゃない・・・・・。
「私も・・・周くんがずっと・・・好きだったの・・・。引っ越す前から・・・ずっと」
が言うと、不二はニッコリと笑みを浮かべて言った。
「お互い・・・ずっと両思いだったんだね。10年間・・・ずっとね」
「うん・・・でも、また会えて・・・気持ちも伝えられて良かった・・・」
そう言うと
も笑みを浮かべた。
「長かったね・・・10年」
「そうだね・・・。でも今までの10年分、これから2人でうめていこうね」
「・・・・うん」
そして、夕焼け空の下で、2つの影は1つになっていった・・・・・。
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こちらは中3になって瑞希様よりいただいたものです。
素敵なドリーム・・・ありがとうございました!!!(涙)
こんな私に・・・こんな素敵なドリを!!
また今度、ドリ交換でもしましょうね。