「んー。いい天気だなぁ」






空に向かって腕を突き上げると、私はそのまま芝生の上にゴロンッと寝転がり
スゥッと目を閉じた。










美しい羽のように










今日の練習中。

ドリンクを飲んでいた仁王先輩と隣にいたブン太先輩が楽しそうに俺にこう言った。








「なぁ赤也知っちょる?」

「何がっスか?」

「今度テニス部でマネージャー選ぶんだと。それで今候補者探してるらしいぜぃ!」

「マジっスか!?」

「それでそれで。こっからが本題」

「はっ?」








これらは練習中のときの会話。

今は休憩時間に入ったから俺は汗をかいた顔を洗うために水道へ向かいながら
仁王先輩とブン太先輩との会話を思い出した。








「おもろい女子見つけたんよこの前。で、勧誘したら物の見事に振られた」

「振られた?仁王先輩が勧誘して振った女子がいるんスか!?」


「「俺らのサポート役としてマネージャーやらん?」って言うたら・・・

「私になんの利益もないのにサポートなんて誰がやるか」の即答」


「うわっ・・・」


「まぁ寝起きだったから機嫌悪かったんじゃね?」

「寝起き?」

「そいつ水道んとこの芝生で寝てたんよ。そこ起こしたってわけ」

「ゲッ!?」

「どうかしたん?赤也」



「なんか・・・今すっげー心当たりが。すっげー嫌な予感が(汗)」








回想終了。

この後仁王先輩とブン太先輩は「誰!あの子のこと知ってんの!?知り合い!?」
っと詰め寄られたところを俺が抜け出して会話は終わった。








あの芝生で昼寝してる女って言ったら・・・。








嫌な予感を心に抱えながら急ぎ足で水道へ向かった。










「・・・やっぱり」






芝生の上に猫のように体を丸めて小さく寝息を立てているそいつに近付いて
肩を揺らして起こそうと試みた。








!起きろ!」

「ふぇ?うぬぅー」

ちゃーん?」

「くぅー・・・」






いや寝るなって!!








仕方なく俺は水道の向かうと蛇口を指で塞いで一気に水を出した。






ブシャァアー!!!






「ふにゃあ!!?」






水は勢いよく噴き出し、寝ていた に降りかかった。








「起きたか」

「起きた・・・」






言葉とは裏腹に目はまだボーッとしている。
は俺に気付くと寝起きの第一声を発した。










「ワカメだ(真顔)」


「殴れば目ぇ覚めるか?」


「うーにー・・・」






ゴシゴシッと眠そうに目を擦る に近付くと はギュッと俺を抱き締めてきた。








「どうした?






「・・・ぐぅー」






「えっ!寝てる?寝てます!?おーい ちゃーん!!?」






パンパンッと の頬を軽く叩くとうっすらと目を開けた。








「・・・なんで赤也くんがいるの?」

「いちゃ悪い?」

「ううん。」








と俺の関係は簡単に言えば「幼馴染み」。
1つ下の立海の1年生。


別にガキのころ川の側の原っぱで「いつか結婚しようね!」なんて
可愛い約束をした覚えはねぇけど・・・仲は悪くない。








「ところで・・・」

「ん?」

「なんで私びしょぬれなのかな」








今気付いた!?(汗)



遅すぎるだろ・・・ちょっと。










「うっ?」

「ちょっとこい」








持っていたタオルを の頭にかぶせてやると少し乱暴に髪をふいてやった。








「痛い!?痛いよ赤也くん!!」

「痛くやってんだよ」

「なんだと!?意地悪!!赤也くんなんか将来ハゲちまえ!!

「(ガシガシガシガシッ!!)」








大体拭き終わったとこで放してやると は思い出したように「あっ!」っと声をあげた。








「そうだ!赤也くん全国大会決まったんだよね?おめでとう!!」

「あ?あぁ・・・でも何で が知ってんだよそんなこと」

「だっていつも試合見に行ってるし!」








の言葉に一瞬体の動きが止まり・・・少し間をおいてから俺は聞き返した。








「いつも?」

「うん。赤也くんはテニスやってる時が1番楽しそうな顔してるんだよ。そりゃ見に行くでしょ」








ニコッとまるで猫みたいに笑う を見て、俺も自然と笑みを浮かべた。












「あーかやー!!」

「あ、仁王先輩にブン太先輩」

「やっぱり赤也、この子と知り合いだったのかよ!なぁなぁマネージャーの話考えてくれた?」

「赤也もどうせやったらこの子がマネやってくれた方がよかよなぁ?」










「あっ・・・と。すんません先輩」










ボーッと突っ立ってた を背中からガバッ!と抱き締めると
は「ふわっ!?」っと奇妙な声をあげて俺を見上げた。








「こいつは俺専属ってことで」








言っとくけど。俺がこんなに構う女もお前限定だから。



そこんとこ覚えとけよ・・・


















○ おまけ ○





「おっはよー !今日もマネージャーの仕事よろしくな!!」

はぁ?なんで私がそんな重労働しなきゃならないんですか。ガム先輩

「ガム・・・!?」







「なぁ、赤也」

「なんスかー?」

「なんで って毎日あんなキャラ違うん?」

「あいつ寝起きの仕方でキャラ変わるんスよ。言ってませんでした?」

「ちなみに今日のは?」






「最悪っスね」






楽しい楽しい男子テニス部にまた1人メンバーが増えました。















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

様。

9000キリ番を踏んでくださった 様に

プレゼントさせていただきます。赤也くん夢!!

ご期待に沿えるような物にすることは出来ず・・・。

申し訳ありません!!!(涙)

こんな駄作でよければ貰ってやってください!!!(土下座)

では。キリ番おめでとうございました。

これからもDeep Spaceと管理人の音沙を

よろしくおねがいします。



音沙から 様へ。