幼い頃からいつも一緒に育ってきて、俺をよく理解してくれる


誰よりも大切な女の子。


その子の笑顔を守るためだったら俺は―――――・・・・・。








SMILE








「伊武君!!」



聞きなれた声がして振り向くと、笑顔で手を振って走ってくる見なれた少女の姿があった。



その子の名前は
親達の仲が良くていつも一緒に遊んでいた は、とてもかわいくて優しい。
マネージャーをやっているが、俺達が中1の時おこった3年生との問題の時なんて
俺達と一緒に悩んでくれた。



どんなに辛くても、微笑んでくれた・・・かげながら支えてくれた。


俺にとって一番大事な人。








―――・・・君。伊武君!!」





必死に名前を呼ばれていることに気付き、思いふけっていた俺は我に返った。





「伊武君大丈夫?体調悪い?なんだかボーッとしてるよ?いつもにまして・・・・・」

「・・・大丈夫だよ。ちょっと思ったんだけど最後の一言はよけいなんじゃない・・・?ひどいよね・・・」

「それなら良かった!うん。いつもどおりぼやいてるし!ただ無理はしないでね?」





は安心したようにニッコリ笑った。






「で、どうしたの?」


俺が言うと


「今日の練習試合、がんばってね!!」


と言った。






そうだ・・・。今日は氷帝と練習試合だった・・・。
何でわざわざそんなことするのかなぁ・・・。

だいたい氷帝の監督苦手なんだよね・・・。「行ってよし」とかさ・・・・。

俺的に を他の人に見せたくないんだよね・・・ライバル増えるから・・・。







「じゃ、先に行って用意してくるね!!」



はそう言うとテニスコート方面に走っていった。


こけそうになりながら。










まったく・・・小さいころから危なっかしいんだよね は・・・。
だからマネージャーするの反対したんだけど・・・(理由はこれだけじゃないけど)



まぁ、そこが可愛いんだけどさ・・・。



いつもはしっかりしてるんだけど、どこか抜けてて頭をぶつけたり、こけそうになったり・・・。





でも、だからこそ守ってあげたくなる。
神尾とかも好きみたいなんだよね・・・。
顔赤くしちゃってさ・・・バレバレなんだよね・・・。ムカツクなぁ・・・・。





俺がぼやきながらテニスコートへ向かうと、もうすでに氷帝が来ていた。



相変わらずホストっぽいよね・・・本当に中学生?
まぁ、橘さんもだけど・・・(あぁ、ある意味ね)←つまり老け顔。







そんなことを思いながら氷帝メンバーを見ていたら突然


「かわE―――っ!!!!」


という声が聞こえ、急にくせっ毛で金髪の男の子が に抱き付いた。
それに驚いた は倒れそうになった。





―――― 危ない!!!




俺は走ったが間に合わず、かわりに跡部・・・とかいう部長が を支えた。





「悪かったなぁ。うちの部員が・・・お前けっこう可愛い顔してんじゃねぇの。
 ・・・気に入ったぜ。俺の女になれよ」


「えーっと・・・・・助けて下さってありがとうございました(ニコッ)
 いや、でも、あの・・・俺の女になれっていうのはちょっと・・・・・」


「ほなら、俺の彼女にならん?後悔させへんで♪」

「クソクソゆーし!!抜け駆けすんなよ!!ねぇねぇ俺はどぅ〜?」







ブチッ





その瞬間、俺の中で何かが切れた。



キレた俺は神尾のリズムにも負けぬ速さでホスト集団の所まで行って を引っ張り後ろへ隠した。






「・・・うちのマネージャーになにするんですか・・・。
 だいたい初対面の人に抱きついたり「俺の女になれ」とか、しつけがなってないんだよね・・・
 こんりんざい、 に近付いたら・・・・・・・・・・消すよ?




俺は一気にしゃべると、ポカンッとしてるホスト集団をあとに を引っ張って部室まで行った。


部室に入ると が口を開いた。





「あ・・・あの、伊武君・・・助けてくれてありがとう!!
 ごめんね、いつも迷惑かけて・・・。マネージャー反対してたワケがよくわかるよ・・・」





そう言いながら「へへっ・・・」っと苦笑する を見たらたまらなく愛しくなって、思わず抱き締めた。




「う、うぇっ!?び、びっくりしたぁ〜・・・。
 ど、どどどどどうしたにょ?い、いい伊武君・・・・・」





、つっかえすぎ。そんなに俺が嫌い?俺がマネージャー反対したのはもう1つ理由があるんだよ。


 ―――――・・・さっきみたいな集団に、 をさわらせたくなかったから・・・・・。

 ・・・ 、大好きだよ。ずっと俺にだけその笑顔を向けて ―――――・・・・・」









今までずっと溜め込んでいた思いをはいた。
もうフラれても何でもいい・・・。
そんなことも思いながら、抱き締める力を強くすると、 は顔を真っ赤にしながら言った。





「い、いい伊武君?私も好きです・・・ありがとう・・・・・」





俺は一瞬何が起こったんだかわからなくなって惚けていたが、
の言葉を理解すると、すごく嬉しくて思わず顔がゆるんだ。






「・・・じゃあ、これからよろしく。 ・・・」

「えっ、は、はいっ!!こちらこそ!!」











その後、練習試合に遅刻して橘さんに怒られた。



でも、そんなことも気にならないことが1つ。

「幼馴染」から「恋人」に変われたこと ―――・・・。





これからも2人でいい思い出を築いていこう。


――――― ね? ・・・。












オマケ★


「ねぇ、 って何で俺のこと「伊武君」って呼ぶの?「深司」って名前で呼んでよ・・・」

「え゛、だ、だって何かはずかしいし・・・/////」

「小さい頃は呼んでくれたじゃん・・・。「深司君」って・・・まぁ、嫌ならいいけどさ・・・」

「し、深司君・・・」

「「君」はいらないんだけどなぁ・・・。まぁいいよ・・・いつか言わせてみせるから・・・」







その場面を見ていた一同↓↓


ちゃん〜・・・(泣)くそ・・・深司の奴・・・。リズムが下がるぜ・・・」

「まぁまぁ神尾、落ち着け。お前には杏がいるだろ?」

「なっ!!お兄ちゃんなんてこと言うのよ。はずかしい!!!」

「嫌なのか?」

「え゛・・・べ、別にそういうワケでは・・・」

「え・・・あ、杏ちゃん、それって・・・////」





ここにももう1つ、新たなカップルができそうです・・・・・。
















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中2と中3の間くらいのときに紫苑様よりいただきました。
私が「伊武くんが好きなのw」と言ったらこんな素敵なドリを!!!
失神寸前意識朦朧でしたよ本当に・・・・・。

本当にありがとうございました!
紫苑様のサイトはこちらです。