猫をかぶった狼野郎










「こーらっ!赤也!?」

「なんスかぁ?」

「なんスかぁ?っじゃないでしょ!なんなのこの英語の点数は!?
 壊滅的じゃない!!」

「だから 先輩に教えてもらってるんじゃないっスか」

「だったら真面目にやる!ほらっ!!」








ここはテニス部の部室。

今日はめずらしく部活はオフでのんびりする予定だったのに
明日英語のテストがあると担任に告げられ・・・
テニス部のマネージャー 先輩に助けを求めたのだった。






まぁ、勉強なんて口実。
狙いはもっと別の所にあったりして。








「こことここ。もう1回」

「ヘーイ」






先輩に言われた問題に立ち向かう俺。
うわっ!今の俺すっげーまじめかも。









――――― フワッ。









「ん?」






何かに触れられ見てみれば、 先輩が頬杖をつきながら俺の頭を撫でていた。



今俺、本気で勉強モードだったんだけどなぁ・・・。








「なんスか? 先輩?」

「えっ、あ・・・いや、なんとなく」









ま、いっか。









「赤也ってさぁ・・・猫に似てるよね?」

「はぁ!!?」






思わずマヌケな声出しちまった。
先輩は相変わらず俺の髪触ってるし・・・。








「イケメン俳優に似てるとかじゃなくて?」

「うん。猫!」








嬉しくねぇ〜。猫にこだわってるし・・・。

いや、でもね!笑いながら俺の髪を触る先輩が可愛いんだって!!








「で?俺のどこが猫に似てるんスか?」

「うーん。髪がネコ毛でしょ?それになつっこいし、レギュラーの中で1番年下だし背小さいし」










・・・・・なんだ?

なんだよ、それ。










「あと、一緒にいて落ち着くっていうか和む?赤也っておもしろいし
 リラックスできるんだよね〜・・・」










・・・なんだよそれ?

それってつまり放課後の部室に2人っきりで勉強してても
危機感とかまったく無いってわけ?





俺も一応男なんスけど?










「赤也が猫だったら可愛かっただろうなー。生意気そうだけど。
 あ、ねぇ!うちのペットになってよ!!」

「何言い出すんスか!」

「いーじゃん。赤也がペットだったら歓迎するよ♪」








あははは!っと口を開けて笑う先輩。

今さっき自分の言った言葉の意味を、俺がどう理解したかなんて知らずに・・・。








「俺がペットだったら歓迎・・・ね」

「赤也?」

先輩。マネージャーに二言はないっスよねぇ?」

「なにが・・・わっ!!」










ガタンッ!!































ギュッと固く閉じていた目をゆっくり開けると、天井と私のことを見下ろす赤也。
そして背中には冷たい床の感触・・・つまり。








「ちょっ!?赤也あんた何してんの!?」

「ん? 先輩のこと押し倒してるんスよ?それが?」

「それがって・・・どきなさい!!!」

「どけ?嫌っス♪」








赤也の両手は完璧に私の手首をガッチリ捕らえていて・・・。
ヤバイ・・・これは完全に逃げられない。








「そんな怒らなくったって・・・ペットがご主人様にじゃれついただけでしょ?」

「はっ・・・?」

「だって俺、 先輩のペットなんでしょ?だったら俺のご主人様は 先輩。
 ペットがご主人様に甘えてなにが悪いんスか?」

「あ、あれは冗談に決まっ・・・!!!」















抵抗の言葉はむなしく・・・

私の口は赤也によって簡単に塞がれてしまった。








しばらくの沈黙の後、やっと離れた赤也が口を開いた。













「あれー? 先輩、顔真っ赤♪」

「ぅ・・・うるさい・・・」










言葉とは裏腹に熱くなる顔、激しくなる鼓動、苦しくなる呼吸・・・。













「そう言えば・・・今日 先輩の誕生日じゃなかったけ?」

「だったら何・・・」

「今年の誕生日プレゼント。俺ってことでどおっスか♪」

「・・・・・・・・・・・・・・。」











こんな猫の皮をかぶった狼野郎なんかいるか!!(怒)


















とか言って・・・その狼に襲われて顔を赤く染めているのは・・・



紛れも無く・・・この私だったりする。













みなさんも、可愛い皮をかぶった狼野郎にはお気をつけ下さい。















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2月13日がお誕生日の神檎様に捧げます。

ふ、再び赤也くん・・・捻りが無くてすみません!!

ちょっぴり狼赤也くんが(個人的に)カッコイイと思い

こ、こんな駄文に(滝汗)

神檎様!こんなものでよかったら貰ってやって下さい。

そして・・・


お誕生日おめでとうございます♪


これからも宜しくお願いします☆