私のナイトはね・・・


実はすっごく独占欲が強い・・・。















何様俺様ナイト様















送り主 景吾
――――――――――
明日の昼。
買い物に行きたいのなら付き合ってやる。

遅刻したらただじゃおかねぇ。















こんな身勝手すぎるメールに気付いたのは今日の朝起きてから。







私は飛び起きて、シャワーを浴びて・・・
服を選んで、さりげなくメイクをして時計を見た。










「ヤバッ・・・。いってきまーす!!」










私は家を飛び出すと真っ直ぐ公園へ向かった。







そこは景吾と外で会うときのお決まりの場所。
到着するとお気に入りの時計台の下に歩を進めた。










「景吾の姿はなし。よしっ!何とか景吾より先に着いたみたい!!」










これでもし景吾より少しでも遅かったら・・・。
うわぁ・・・考えただけでも恐ろしい。








「ねぇ、誰か待ってんの?」

「えっ?」































と待ち合わせた時刻より少し早い時間。
俺は見慣れた公園に入った。


休みの日の昼間ということもあってか、子供がキャアキャアとはしゃいでいる。






この公園は と外で待ち合わせるときに必ず利用する場所で
入り口を入ってすぐ俺は時計台に足を向けた。






時計台の下・・・あいつの気に入ってる場所。
そこに目を向けると1人の女が立っているのが見えた。










だ。


どうやら俺の方が遅かったようだな。










フッと笑みを浮かべながら、まだ俺に気付いていない に向かって歩みを進めた。















「ねぇ、誰か待ってんの?」

「えっ?」








しかし、俺が行くより先にチャラチャラしやがった野郎が3人・・・ を囲んだ。










「もしかして彼氏待ちとか?」

「じゃあ彼氏が来るまで俺達と遊んでない?」

「いやー・・・あの」

「ね?ちょっとだけ付き合ってよー」










1人の男が戸惑う の肩に手を回した。















ブチィ!!















俺の中で何かがキレた。















「ちょっ、離して!」

「いいじゃん!固いなぁ」






「オイッ」








野郎3人が振り返る。

俺の顔を見た は少し嬉しそうに「景吾!」っと俺を呼んだ。










「人の女に何手ぇ出してんだよ。あーん?」

「何だテメェ。やんのか!?」








1人の男が胸ぐらをつかんで声をあげた。
悪いが・・・今の俺はかなり機嫌が悪い。





ギラッと睨み付けてやると男は少し怯んだ様子で、俺をつかむ手を緩めた。










「3秒以内に俺様の目の前から消えろ・・・。2度と に近付くな」









バッ!と乱暴に手を払うと、野郎3人は舌打ちを残し公園からさっさと立ち去っていった・・・。















「遅いよ。景吾」

「お前もハッキリ断われねぇのか。曖昧な返事するから向こうが調子に乗んだよ!」

「だって、景吾が来てくれるの待ってたんだもん」











・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。











「あ、今のドキッとしちゃった?」

「バーカ。行くぞ」










手を握ってやると は嬉しそうにギュッと握り返してきた。



俺達はそのまま店を回り、食事をして、空がオレンジ色に染まる頃またあの公園に戻ってきた。


















「今日は楽しかったね!」

「そーかよ・・・」











隣で無邪気に笑う を見て、近くにあったベンチに連れて行くと2人並んで座った。













「うん?」

「手ぇ出せ」











そう言うと は左手の手の平を上にして俺に差し出した。











「バカ逆だ」











クルッと手を裏返して甲を上に向けると俺は今日買った物の中から1つの箱を取り出した。
















「景吾。それは?」

「お前が買い物に夢中になってた時に買った」










箱を開けると中からはキラリと光るシルバーリングが現れた。


それを指先で摘むと の細くて白い薬指にそっとはめた。














「景吾・・・左手の薬指って意味わかってる?」

「あーん?当たり前だろ」












指輪に目が行っていた の顎に指をそえて無理矢理上を向かせると、無防備なその唇を塞いだ。












「わかったろ?これ着けとけば他の男避けにもなんだよ」












どうやら昼間のことを根に持っているようだ。
















私のナイトは独占欲が強い。



この指輪がある限り、私はこの人に守られる・・・。














「・・・やきもち?」

「うるせぇ」












私は嬉しくて・・・ずっと輝くそのリングを見つめていた。















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

8585番を踏んで下さった蒼窪様に捧げます。

リクエストいただきました跡部夢。

「あー。跡部って絶対独占欲強そう・・・」

っという俺の妄想が生み出した産物です!!

せっかくキリ番を踏んで下さったのにこんな駄作になってしまい

本当に申し訳ありません!!(泣)

こんな物でよければ貰ってやってください!(土下座)

蒼窪様のみお持ち帰りを認めます。





DeepSpace管理人、音沙。