「おっはよ、リョーマ!今日も気合入れていくわよっ」
9cm
「ふぁい・・・・・・・」
朝から無駄に元気なのは、うちのテニス部のマネージャーの
先輩。
俺より2コ年上な中3の先輩。
しっかり者のくせにどっか変なとこ抜けてて、微妙に危なっかしくて
放っておけなくて・・・なんか気になる人。
部員からも人気だし、信頼されてる。
不二先輩とかはひそかに狙ってそうな感じだ。
そう考えると、なんだかもやっとしたものが胸のあたりに広がるような感覚がした。
「こらァァ!!しゃっきりしなさい」
「いって・・・」
頬をべちっと軽くたたかれた。
部活のことになると竜崎のばあさんよりうるさいかもしれない。
ま、嫌じゃないけどね。俺たちのこと真剣に考えてくれてるのは。
「リョーマ!」
「なんすか、先輩」
「最近朝練遅刻しないようになったじゃない!」
がんばってるね、と言って俺の頭に手をぽんとのせる。
俺、小さいなと思った。乾先輩の言うとおりにきちんと毎日牛乳を飲んでいるけど
なかなか伸びない背。最近、焦りが出てきた。
全国が近いせいじゃない。今のところプレイに背はあまり影響していないから。
このもどかしさの原因は・・・すぐそこまで分かっているのに、出てこない。
*
「はい、じゃあそろそろ休憩ー!!」
先輩の声に、みんなが一斉に動きをとめる。
ドリンクとタオルの入ったカゴをもって先輩が立ち上がった瞬間、
その華奢な肢体が、ゆっくり前に傾いて・・・倒れた。
「先ぱっ・・・」
「
!」
真っ先に駆け寄ったのは不二先輩だった。
不二先輩は軽々と
先輩を抱き上げると、保健室へ急いでいった。
ああ・・・また胸に広がっていく。
その感じが嫌で、でもらしくない自分の方がずっと癪にさわったから、練習に打ち込んだ。
*
「失礼しまーす」
ガラっと音のする扉を開けると、消毒液のような薬品の独特なにおいがした。
そこには先生も不二先輩もいなかった。
そして、1つだけカーテンの締まってるベットを見つけた。そっと近づいて、開ける。
やはり、そこに寝ていたのは
先輩だった。
そうっと顔を覗き込む。と、途端に顔が熱くなった。
「
・・・・・・・・・・・・・・先、輩」
名前を、小さく呼んだ。
すると、ゆっくりと先輩の瞼が開いて・・・
「に゛ああああああ!!!!」
ゴッ
「あ、ごめ・・・・!リョーマ」
「いや・・・真面目に痛いんすけど」
衝撃がまだ響いてる。
先輩ってもしかして石頭?
「それより!なにしてんの!?」
「いや、お目覚めのキ「それ以上言うな!!!!!!」
真っ赤になって布団に顔をうずめてる
先輩。
そんな先輩を見ていたらつっかえがとれた。
俺も案外青春満喫してるじゃん。
「ああ!部活行かなきゃ!!」
「今日はもう終わったっすよ」
「ええ!??」
窓からは、綺麗で眩しいくらいの夕焼けの光が差し込んでいた。
「・・・じゃあ、帰りましょうか」
「う・・・・・んあ!?」
有無を言わさず、先輩の手をつかんで歩き出した。
俺の手よりも少し熱いその手の体温を感じた。
俺と先輩の身長差、目測9cm。
この距離がなくなったら、打ち明けよう。
その日までに覚悟決めといてよね、
。
ボスを倒して、きっと迎えに行くから。
+++
2000番を踏んでくださった音沙様へ!
リクはリョーマで、ほのぼのか甘ということでした。
見事にどちらにも当てはまらないような・・・。
こんなんでよければ受け取ってやってくださいね。
06/04/08
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
透夜様のサイトでキリ番2000番を踏んでいただいたものです!!
もうこれは鼻血ものとしか言いようが・・・(えぇ?)
萌えパワー全快です!今なら壁に穴を空けられます!(はぁ?)
こんな素敵なドリームをありがとうございました!!