ガチャ!!










「おっはよーさぁぁあぁん!!?










休日の朝。忍足は部室に入るなり、閉めたばかりの扉にへばりついた。










「朝から何変なことしてんの?変態忍足
その言葉そっくり返したるわ。何やってんねんお前ら!?」
「いや、暑いからさ」










忍足のツッコミ精神が騒ぐのも無理はない。



部室には・・・花のゴムでツインテールの岳人
リボン型のピンで前髪を留めた長太郎
ポンポンのついたゴムでポニーテールのジロー

・・・・・うん。樺地がいたのだから。










「宍戸ぉ!!お前は無事やったんか!!」
「あぁ。」
「だって亮は髪短いからまとめる必要ないんだもん」

「だったら樺地も関係ないやんか!!なんでピンクのカチューシャつけとんねん!!?

「だって可愛いじゃん!ねー、樺地?」
「ウスッ・・・」

「アカン!今のは肯定なんか否定なんか俺にはわからへん!!」

「少し落ち着けよ。忍足」










忍足は深く溜め息を吐くとソファに座り頭を抱えた。
すると後ろから心配そうな滝と、相変わらず冷たい日吉の2人が声をかけてきた。










「大丈夫?忍足、元気出して?」
「あなたが静かだと気味悪いんですけど」
「あー・・・滝ぃ。俺には止められへん。せや、日吉がどうにかし・・・」










振り返った瞬間、忍足は激しく卓袱台をひっくり返したい衝動にかけられた。










「なんでお前らまで蝶々のクリップ留めて水玉のバレッタつけとんねーん!!!」





「最近、髪伸びてきちゃって」
「前髪が目に刺さると痛いんですよ」
「切れやー!!」
「もういいって忍足。諦めろって」










宍戸が忍足を同情するかのように引き戻す。
忍足も忍足でハイテンションでツッコミを繰り返していたら流石に疲れたようだ。










「・・・ は髪まとめへんの?」
「へっ?」










忍足は何も飾られていない の髪を見て首を傾げた。










「あ、私人の髪をまとめるのは得意なんだけど自分のはちょっと・・・」
「座ってみ?俺がやったる」
「えっ!忍足できるの!?」










をソファに座らせると忍足は余っていたリボンで手際よく髪をまとめあげた。










「ほいっ。完成」
「わっ!綺麗・・・ありがとう忍足!!」
「別にえぇよ」










忍足は の髪をサラサラと指で撫でるとフッと小さく微笑んだ。










「忍足?」
「今まで気付かんかったけど・・・ の髪めっちゃ綺麗やなぁ」

「忍足・・・指使いがめちゃめちゃエロい。やめて

「褒めた俺がアホやったわ」





「見ろよ! がリボンつけてるぜ!!」
「本当だー! かわEー!!クララみたい!!」
「じゃあ皆はハイジだ!ハイジ!」




















「おい・・・忍足」
「俺は何も悪ぅない。悪ぅないで・・・」










「ほらほらクララ!!もっと飛んでみそ?」
「クララ先輩。もうこれ外していいですか?」
「ダメよチョタハイジ!!そんなことしたら私・・・もう一生歩けないんだから!!」

「口笛はなぜー♪遠くまで聞こえるの?あの雲はなぜー♪私を待ってるの?ヘイッ♪
「気のせいじゃないですか?」
「ウスッ」















跡部が来るまで、あと5秒。















2008.3.15