「ねぇねぇ君!さっきから超可愛いなーって思ってたんだよね!!暇だったら俺と遊ばなゴフッ!!」
の足は見事に男の顔面にめり込み、食らった男は敢え無くダウンした。
「おい!
、うるせぇぞ何やって・・・何やったんだ?」
「おー。跡部さんちょうどいい。このオレンジ野郎をゴミに出すの手伝って?」
全然噛み合っていない2人の会話。
先ほど
に高速回転蹴りをくらった男は今だに俯せになって伸びていた。
頭からなにか赤い液体が流れ出ているのは見なかったことにしよう。(酷いな)
「今なんかすっげー音しなかったか?って・・・うぉお!?侑士!ゆーしー!!」
「なんやー!?どないした岳人!!変質者か?怖い猛犬か?
でも出たか!?」
「待て。私って危険リストに入ってんのかよ」
「死体がありますね」
「あ?死体だぁ?
・・・お前また」
「またとは何よ亮。まるで私が犯人みたいに・・・まぁ犯人なんだけど」
「えぇえ!また
先輩が!?」
「「また」って言ったー!チョタ今「また」って言ったでしょー!!」
「が、岳人!枝なんかでつっついたらアカン!!仏さんに失礼やろ!?」
「ちょっと待ってね!俺まだ死んでないからね!?」
ガバッ!と体を起こす男。
の蹴りを食らって立ち上がれるだなんて・・・なかなかタフな男だ。
「チッ。逝ってなかったか」
「舌打ちはもう少し隠しながらやれ」
「あれ?この人、山吹の千石さんじゃないですか?」
「そーそー!よく知ってるじゃないか氷帝の鳳くん。俺って実は有名人?いやぁー照れるなぁ♪」
「跡部。こいつの顔面にハイキック入れていい?」
「一生起き上がれなくなるからダメだ。こいつはこれでも山吹中の選手だし。我慢しろ」
「ブー。」
「これでもって何?しかも今なんか俺の命の駆け引きを見た気がするよ?」
「そんな事より・・・その山吹の千石さんがなぜ氷帝に?」
「おっ!よく聞いてくれました!そんなに知りたい?」
「「「いや、別に」」」
「しょーがないなぁ。特別に教えてあげるよ!」
こいつ殴りてぇ・・・!!
全員の心が1つになった瞬間だった。
「実はさぁ、男子テニス部の偵察に来たはずだったんだけどこの学校無駄にデカいから迷っちゃったんだよねー。
それで誰かに聞こうと可愛い女の子探してたら
ちゃんを発見したってわけ☆」
「えっ。こいつ可愛い?」
「えっ。何それどういう意味?可愛くないとでも言いたいの?」
宍戸に関節固め技を食らわせている
を背に、跡部が1歩前に出た。
「俺が部長の跡部だ。用があるなら俺に言え」
「お!君が噂の跡部君だね?噂通りカッコいいー♪」
「跡部ー。宍戸が
に殺されかけてるよー」
「用は何だって聞いてんだよ」
「だから偵察だってばー。って言うか見つかっちゃったらもはや偵察じゃないじゃん!!?」
「跡部―!!宍戸が動かなくなったー!!」
「ほっとけ!!!(怒)」
目の前で繰り広げられる氷帝テニス部のやり取りにさすがの千石も身の危険を感じ始めていた。
「あ、じゃあ練習の邪魔みたいだし俺そろそろ帰るねー」
「待ちなよ」
「どぅわっ!!?」
いきなり背後から聞こえた声に千石は心臓が飛び出るかと思うくらい驚いた。
背後を振り返ると笑顔を振りまく滝があと数cmという距離で立っていた。
「滝!いつからそこにいたん!?」
「えっ?さっきからずっといたよ?」
( おいっ。誰か滝の存在に気付いてた奴はいるか? )
跡部からの眼だけで語りかけられた問いに、地面で屍と化している宍戸以外の全員が激しく首を横に振った。
「具体的にどのへんからいたの?」
「えっ?ここにいる千石って人の
「ねぇねぇ君!さっきから超可愛いなーって思ってたんだよね!!暇だったら俺と遊ばなゴフッ!!」
からかな♪(笑顔)」
「初っ端からいたんかい!!(滝汗)」
見事な気配消去術。これでまた「滝様伝説」が1つ増えた。
「まぁそんなことより・・・。待ちなって言ったよね?どこ行く気?(笑顔)」
「ぐえっ?!(汗)」
滝様は(様付け?)めっさ腹黒い笑顔で・・・あ、いや。
満面の笑顔で千石の襟首を引っ張った。
もちろん千石の首はジャージによって絞められる形となった。
「ゲーホゲホゲホッ!!ひどいなぁー。もっと優しくしてくれてもいいんじゃない?」
すると滝はニッコリ・・・笑って
に目を向けた。
「
―?壊していい玩具が増えたよー♪」
「玩具!?」
「わーい!!」
千石の悲痛の叫びは氷帝学園中に響いたという・・・。
「跡部さん。宍戸さんとこの男どうしましょう?」
「ほっとけ。俺は帰る」
テニスコートに倒れている人影は2つに増えたという・・・。
2008.3.9