本日午前9時。部活が始まる少し前。





「なぁなぁ。日吉と ってさぁ・・・仲良いの?悪いの?」





前置きもなしに岳人が少年ジャ○プを読みながら全員に問い掛けた。





「が、岳人!!お前なに世界崩壊呪文唱えとんねん!!

「私達って仲良いの?」
「そんな噂が立つのはごめんですね・・・」
「侑士には聞いてねぇぞ?」
「なんで唐突にそんな質問するんや!?」
「俺がさっきサーブ練習付き合ってもらった時に頭にぶつけたのが原因でしょうか?」
「たぶんな」





長太郎の問いに宍戸が答える。
自分の質問が無視されたことに気付いたのか・・・岳人は全員ではなく本人達に質問を変えた。





「なぁ!それで結局、日吉と だったらどっちが強ぇの?」

「「どっちが・・・?」」





しかし無邪気な岳人の質問は、あまりにも2人のオーラを変えるものだった。





岳人ぉー!!(泣)
何言ってんねん!?そんなん今まで決着ついたことないんやから分かるわけないやん!!!」





しかし忍足の必死の説得もまた「火に油」である。





「そう言えば・・・」
「ついてませんでしたね・・・決着」





日吉と はお互い目を合わせないまま会話をする。





「やる?」
「構いませんよ。俺に負けてもいいならお相手しますけど?」
「いい度胸ね。外出ろや





満面の笑みのはずなのにオーラが黒い・・・



忍足は少年ジ○ンプを読んでいた岳人を抱え外に逃げ、鳳と宍戸は外に出て部員達に何か指示をだすと
即座にコートのネットは片付けられ即席リングが出来上がった。





「手加減はしませんよ?」
「望むところよ」





ゆっくりとリングに足を踏み入れる両者。
すでにギャラリーにはテニス部だけではなく、どこから聞き付けたのか一般生徒も観戦に来ていた。
岳人とジローはポップコーンやらジュースやらの販売の準備をしている。





「ええか 。今日で日吉の奴と決着つけるんやで」
「OK忍足。任せてちょうだい」



「いいか日吉。今日で との戦いに終止符を打て」
「わかりました。今日を最後の戦いにします」





同時にリングへ上がる。
歓声が一斉にこだました。





「よく逃げませんでしたね」





フフン。っと は鼻で笑った。











「私を・・・ナメないでよね」











「あーあー。ゴホンッ!!これより、日吉vs 先輩の真剣試合を開始したいと思います!!





ワァアァァー!!!!!





長太郎がマイクを片手にリングの真ん中で注意事項の説明を始めた。





「指定された武器のみ使用可能。その他は認められません!尚、リングの外にいるからって油断していると
 思わぬとばっちりを受けるので自分の身は自分で何とかしてください!以上です♪」





爽やかな笑顔と共に長太郎は早々とその場を去っていった・・・。





「準備はOK?それではレディ・・・ファイト!!」










ワァアァァー!!!!!















「・・・では、今年のテニス部は全国大会に向けて皆さん頑張っているんですね?」
「あぁ。勝つのは氷帝だ。あいつらもそう思って試合にのぞんでる」
「なるほど。いやぁ・・・今月の新聞部は面白い話題がなくて困ってたんですよ!助かりました跡部さん!」
「気にするな。いい記事書けよ」
「あ、跡部さん!最後にもう1つ質問してもいいですか?」
「あーん?」
「あれも何かの練習ですか?」





窓の外を覗き見る新聞部。跡部は何か感付き窓に勢いよくへばり付いた。





「盛り上がってますねぇ!あれは何の練習ですか?跡部さ・・・」





バタンッ!!





振り返った時にはすでに跡部の姿は消えていた・・・。










「なかなかやるわね日吉!今のを避けられるなんて!!」
「先輩が鈍いんじゃありませんか・・・?」
「次いくわよー!!」





日吉と は同時に拳を振り上げた。











「「ジャンケン・・・ホイ!!」」



バシコーンッ!!!








「おぉっと!?日吉の攻撃を 先輩はヘルメットで難なくガード!恐るべき反射神経です!!」

「油断したらアカンで !」

「次は絶対ぇに決めろよ日吉ー!!」





忍足と宍戸の応援にも力が籠り、長太郎の実況中継にも熱が入る。
ギャラリーでは岳人とジローがポップコーンやジュースを販売していた。
すると突然、マイク機器の「キィィィ・・・ン」という音が響き渡り怒りのこもった跡部が叫んだ。








「なにやってんだ!お前ら!!(怒)」





「あ、跡部だー」
「なにって・・・見てわかりませんか?」
「あ?わかるわけねぇだろ」










「「叩いてかぶってジャンケンポン!!の決着をつけてんのよ(ですよ)」」










後日・・・新聞部の新たな記事には大きくテニス部のことが取り上げられていた。
目立つように彩られた見出しは・・・





「全国を目指す男子テニス部!強さの秘訣は叩いてかぶってジャンケンポン!!!」















2007.10.27