「・・・誰あんた?」
「あんたこそ誰?」
「俺はこの立海中のテニス部エース切原赤也・・・」
「私は道に迷ってここに辿り着いた氷帝3年。






迷ってたんかい・・・!!










「で?ここはどこで私は誰?」
「さっき言ったばっかじゃん!!」



なーんか変な奴が来たなぁ・・・。






「しょーがないなぁ・・・」



ピッ!



「あ、もしもし先生?今日のピアノのコンサート・・・あれキャンセルにして?
 大丈夫大丈夫。私の名前出せば黒いスーツのおじさん達がどうにかしてくれるから。
 うん。じゃーねー」



ピッ!








黒いスーツのおじさん達・・・?(汗)








「な・・・なんかあんの?」



「ん?あぁ・・・今日予定されてたピアノのコンサートだよ。
 全国の校長やら教授やら委員やらそれらを全部まとめてるお偉いさん方
 集まる会議で演奏することになっちゃってさー」





それをあんな簡単にキャンセルしちゃったの!!?





「ここ立海って言ったよね?」
「そうだけど?」
「あいつらの言ってた王者立海ってここかぁ・・・」



「赤也ー!何しちょるん?練習戻りんしゃい」
「あ、仁王先輩」
「誰?そいつ。氷帝の制服じゃなか?」





仁王先輩は興味あり気に さんの顔を覗き込んだ。





「こんにちは。氷帝の です」
「俺、仁王雅治。あんた・・・もしかしてテニス部のマネ?」



仁王先輩の言葉に さんは少し目を大きくすると、すぐにスッと細めた。



「よくご存知ですこと・・・」



「あり?当たったん?ラッキー☆」



「えっ! さんって氷帝テニス部のマネージャーなんスか!?」
「私、王者立海って言われるここの偵察にきたのよ」
「ほぅ・・・?」
「だって! さんさっき迷ったって「お黙り。」





「氷帝と言えば強豪学校・・・どう?逆にそっちの情報をこっちに教えてみんか?」





仁王先輩の不敵なほほ笑みに、 さんはそっくりそのまま笑い返した。





「教えてくれるんなら、こっちの情報教えてやってもよかよ?」
「そういうやり方・・・私、好きだよ?」
「んじゃ決定。で、何教えてくれるん?」





「そうだなぁ・・・。」





さんは笑顔のまま仁王先輩と俺に向かって静かに口を開いた。















キキィー!!!バタンッ!!


タタタタタッ・・・。



「いたー!!跡部ー!!」
「ゲッ!ガックン!!?」
!テメェ何こんなとこで油売ってんだ!!!」
「うわっ!!何で全員いるわけ?!って、ギャー!!放せー!!!」



「とっととコンサート行ってこい!!お前の連れてきた黒スーツの男達が
 会場を乗っ取りつつあんだよ!!!」


「あらー。じゃあうまくいけば私の物に・・・」
「バカ言ってんじゃねぇよ!」
「とにかく 先輩を会場へ!!!」
「ギャー!!人さらいー!!!おまわりさーん!!!!!」






確かあれは氷帝・・・?
さんを抱えるとまるで嵐のごとく一瞬にして消えて行った・・・。



目の前から嵐が去った瞬間、仁王先輩は苦笑しながら俺の肩に手を置いた。








「赤也。さっきのあいつ何言ったか聞こえたか?」
「いや・・・よく聞こえなかったっス。なんて言ってたんスか?」













『氷帝の奴等はあんた達より曲者ばっか。頂点に立つ男達が集まってるよ』













「仁王先輩。大会で氷帝に当たればまたあの人と会えるんスよね?」
「あぁ・・・。かもしれんのぅ」
「楽しみっス」
「俺も。」















「なぁ、 ー!一緒にいたのってもしかして立海のテニス部じゃねぇ?」
「そうだっけー?」
「何話してたんだよ」





「あんた達を潰してくれって頼んでたのー」





















2006.8.12