「あ、跡部様よ!」



「かっこいい・・・vv」










俺はこの氷帝学園の頂点に立つ男・・・跡部だ。
生徒会会長。テニス部部長。頭もよければ顔もいい・・・そんな俺を女がほっとくわけねぇだろ?







「見て見て!跡部様よ!!」



「今日もかっこいいーvvこれから部活なのね!!」







ほらな。部活に行くために少し歩けばこれだ・・・モテ過ぎるってのも悩みだな。(ナルシー)
今日なんか、朝からずっと誰かの視線を感じてしょうがねぇ・・・。










「あ、跡部ー!!」
「あん?なんだよ忍足」
「ちょうどええわ。実は問題起きてんねん・・・一緒に来てくれへんか?」
「問題だ?なんだよ問題って?」
「見に来ればわかるわ。ええからついて来てみぃ」









見ればわかるって・・・口で言えよ。
それから忍足は俺の前を黙って歩き出しやがった。









「おいっ忍足!テニスコート裏なんかになにが・・・」
「あれや!あれ見てほしいねん!!」
「・・・木?木がどうかしたのかよ?」
「あの木の下が問題やねん!見てくれへん?」








木の下ぁ?あんな木の下になにがあるっつーんだよ?
一応、真下まで来てみたが別におかしいもんなんかねぇし・・・。








「なんもねぇじゃねぇか!!」
「ホンマか?おっかしーなぁ」
「ったく・・・一体なんだって」















ズボッ。















「っ!!?」






「「「「ギャハハハハハハハ!!!!!」」」」















「ホンマにハマリよったー!!!」
「ヤべー!!激ダサ!!!」
「み、みなさん笑いすぎ・・・わ、笑いすぎですよ?」
「なに我慢してんのよチョタ!?笑っていいのよ!笑っちゃいなさい!!!」
「そうですか?じゃあ遠慮なく」










見事、落とし穴にハマった跡部を見てどっから湧いて出たのか・・・ を含めた
レギュラー全員が腹を抱えて大爆笑し始めた。
樺地も見た目こそ冷静だが、微妙に肩が揺れていることは本人と 以外誰も知らない。










「くそ・・・なんだコレは!?」
「よーできてるやろ?掘るのにめっさ苦労したんやでー!!」
「あ!ところで忍足!!写真は?」
「せや!見てみよか」


「クソッ・・・樺地!手ぇかせ!!」
「ウスッ」






樺地が跡部を引き上げているころ、全員忍足の持っているデジカメを覗き込んだ。










「アハハハハハ!!!これ最高ー!!!」

「跡部すっげーマヌケじゃん!!!」

「マジ腹痛ぇー!!!!」






「お前らはどないやねん?ええ写真撮れたんか?」
「おぅ!俺の見て!!メガネ姿の跡部!!!」
「おっ!これは一部で人気出るね!!」



「俺はこんなの撮れたよー☆」
「跡部の寝顔!?ジローようやった!!レアやでこれは!!」










「日吉はー?」


「俺ですか?これを・・・」

























「「「「おぉおおぉ――――――っ!!!!!」」」」












「跡部の着替えシーン!!!」
「偶然居合わせたんで」
「日吉よくやったわ!!今回の目玉はこれよ!!」









「いい加減にしろテメェら!!!!(激怒)










樺地に助けてもらい、やっと穴から脱出した跡部は息を切らせながら青筋を浮かべた。
それと同時に鬼ごっこ開始のゴングが鳴り響く。












「ヤバイで」

「ヤバイな」

「ヤバイですねー」














「全員退避――――!!!」





「「「「ラジャー!!!!!」」」」















鬼である跡部に背を向けて全員が固まって走り出す。
跡部はその後を形相を変えて追った。
















「おーほほほ♪大収穫!これを跡部ファンが影で開催してる
 『跡部様写真コンテスト』に売り込めば高値で売れるわ!!エントリーしたら優勝できたりして☆」


!優勝賞金の分け前はどうなるんや?」
「もっちろん山分けに決まってるじゃない!!」
「よっしゃー!!」
「朝からレギュラー全員で跡部さんを監視したかいがありましたね」








グラウンドを疾走しながら会話をするレギュラー陣。
サッカー部や野球部の視線はすべて 達に注がれた。








「またやってるよテニス部・・・」
「元気だよなー。また跡部が追いかけてるぜ?」








どうやらこの光景は日常茶飯事らしかった。














「お前ら待ちやがれー!!」
「待てと言われて待つ奴がいるか。アホ部ー!!!」
「ところでさぁ!優勝はやっぱ日吉じゃん?」
「そうじゃねぇ?やっぱあの写真が1番・・・」
「ちょっと待ったー!!それはこの私の写真を見てからにしてもらえる!!?」
の写真?」
「どれどれー?」
「俺も見たいー♪」








は走りながら写真を取り出すと岳人に渡した。


全員走りながら岳人の持つ写真を覗き込む。























「「「「・・・・・・・・・・・・・・。」」」」




「どうよ?」




「「「「優勝は だな(先輩ですね)」」」」




「あったりまえじゃーん♪」













その後、鬼がへばるまで鬼ごっこは続いた・・・。
























ちなみに「跡部様写真コンテスト」の優勝作品は





「上半身裸で鏡に写る自分に酔いしれる跡部(薔薇付き)」だった。





















2006.6.24(上半身裸の跡部を想像したら気分が悪くなりました)