「「「勝つのは氷帝!負けるの青学!!」」」
「「「勝者は跡部!敗者は手塚!!」」」
「「「勝者は・・・」」」
パチンッ!!
「俺だ「ヘェックショーン!!!!!」
盛り上がっていた会場は1人の盛大なクシャミにより一気に冷め上がった。
「うるせぇな」
「うるさいとはなによー!だいたいなんで私がテニス部の応援なんてしなきゃいけないの?」
「ええやん。
に応援された方がやる気でんねん。俺ら」
「どーでもいいけど・・・このギャラリーは何?多過ぎ!!ところで勝者は誰だって?」
「俺だ!!」
跡部がコートから叫ぶ。
の発言がツボをついたのか後ろで跡部以外のレギュラー陣が背中を向けて必死に笑いを堪えていた。
「アハハハハ!!あの子最高!!」
「氷帝の跡部さんのセリフもかっこつかないっスねー!!」
ツボをついたのは、どうやら氷帝だけではなかったようだ・・・。
「ちょっと・・・2人とも笑いすぎだよ?」
「そんなこと言ったって・・・不二先輩も笑ってたじゃないっスか!」
「そーだよ不二ー!笑っちゃいなよ!!」
その様子を見て
は席を立つと対戦相手の応援席に移動した。
「こんにちは!」
「あー!さっきの面白い子!!」
「氷帝学園3年。
でーす!」
体を反転させて真っ先に
に顔を向けたのは、髪が外にハネている絆創膏の男とツンツン頭の男だった。
「俺、菊丸英二!エージでいいよん!」
「俺は桃城武!2年っス!!」
「よろしくぅ♪うちのダブルス2に勝ったペアだよね?すごかったよー!」
すると菊丸の隣に座っていた不二が声をかけた。
「僕は不二周助。君は氷帝のマネージャーなの?」
「まさか!」
は激しく首を横に振るとジィーッと・・・すっげぇ嫌そうな目付きで氷帝陣を睨み付けた。
「私はマネージャーでもなければテニス部でもないの。
なんか知らないけど朝から呼び出されて。ここに連れてこられたの」
「フーン・・・じゃあ別に氷帝を応援しに来たってわけじゃないんだ?」
を見つめるのは白いぼうしをかぶった少年だった。
「
。君は?」
「越前リョーマ」
「それってつまり私に青学を応援しろ・・・と?」
「さぁ?」
視線を交えると2人はニヤッと笑みを浮かべた。
「
・・・?
じゃないか!?」
「うん?」
後ろから聞こえた声に全員が振り返ると青学の副部長、大石が驚いた顔をして立っていた。
「大石先輩?」
「大石ってこの子と知り合い「秀くぅーん!!!!」
「「「秀くん!!??」」」
先ほどの越前に向けていた不敵な笑みとは裏腹に幼い少女のように瞳を輝かせ、満面の笑みで
大石の胸に飛び込んだ。突然の行動だったが大石はそれを予想していたように難無く受け止めた。
「秀くん!秀くん!!」
もはや3年生とは思えない笑顔です。
小柄なせいか年下と言われたら信じてしまいそうなほど幼くなっています。
「どうして
がここに!?」
「大石。こいつは氷帝のマネージャーじゃないか?」
「フシュー・・・なんでここにいんだよ?」
後ろから現れた乾と海堂。
は2人の言葉にムッと唇を尖らせた。
「だからマネージャーじゃないって言ってんじゃん!!」
「知り合いか?」
「聞けや」
「
は俺の従兄弟なんだ」
「従兄弟!!?」
「でーすw」
は大石の腰に腕を回したまま笑顔で答えた。
ほぼ全員は驚きの目で大石と
を見つめる。
ただしそんな中、不二はほほ笑み・・・乾はすかさずノートに記録していた。
「そうか、
は氷帝の応援に来てたのか」
「えー?別に来たくて来たんじゃないよ?」
「だから、あんたがよければ青学の応援してくれるんでしょう?」
越前の言葉に
は「どーしよっかなー?」っと首をかしげた。
「おいっ!
!いい加減に戻れ・・・あ?おー。大石」
「やぁ。宍戸」
この2人も仲良いんですか!!?(新事実)
「亮ー!」
「
。お前は青学にまで迷惑かけてんじゃねぇよ!」
「えー!?だって秀くんがいるんだもん!!」
そしてまた大石に抱き付く腕に力を込める。
「宍戸。ちょっといいか?」
「なんだよ?」
「
を少し貸してくれないか?離れなさそうだし・・・」
「・・・はぁ・・・。しょーがねぇな。じゃあ頼むわ」
「あぁ」
宍戸はそう言うと氷帝の応援席に戻っていった。
その様子を見ていた青学レギュラー陣は完璧に固まっている。
乾すら記録を忘れて固まっている。
「じゃあ
。ベンチに座って応援してていいよ」
「はーいw」
素直に頷き青学のベンチに腰をおろすと、すかさず越前と菊丸がその両隣を確保した。
「にゃー!
ちゃんが青学の応援してくれるなんてラッキー☆」
「青学のベンチにいる以上、氷帝の応援するのは反則だからね」
「まっかせなさいって!バッチリ青学を応援してあげるから♪」
は隣に座っている越前からジャージを借りるとフワッとそれを羽織った。
「
ー!!戻って来いよー!!!」
「そーだよ
ー!!俺さびC−!!!]
向こうで氷帝のレギュラーの叫び声が聞こえる。
「宍戸!!なんで
を置いてきたんや!!?」
「あ?大丈夫だって。害はないだろ」
「むしろ静かでいいです」
「日吉テメェ!もういっぺん言ってみろー!!!」
「日吉。聞こえてるみたいだから」
は騒ぐ岳人達に向かってヒラヒラと手を振るとコートにいる跡部に目を向けた。
(ギロッ)
(ニコーッ)
「私を氷帝に戻したかったらこの試合。勝ってよ」
その後、審判のコールにより試合が開始した。
2006.5.13