「亮ー!チョター!!」








「あ?」
「どうしたんですか 先輩?」




「あのさ・・・美技って何?」










「「はぁ・・・??」」










汗をタオルで拭っていた宍戸と鳳は2人一緒に眉をしかめた。








「お前はまた・・・んなこと唐突に聞くか?」
「だって気になったんだもん」
「文字のまんまじゃないですか?美しい技で・・・美技」


「じゃあアレは?」



が指差す方へ宍戸と鳳も顔を向けた・・・。

















パチンッ!!



「俺様の美技に・・・酔いな」













「「あれは例外だろ(でしょう)」」





氷帝ダブルス1の息は本当にピッタリだ。












「そもそも美しい技ってなんでしょうね?」
「うーん・・・」
「あ、忍足ー!ガックーン!!」



「なになに?なんの話?」
「何唸ってんねん宍戸?悩み事か?」
「いや、それがさぁ・・・忍足、お前美技って聞いて何を思い浮かべる?」









「跡部のセリフ」










「ですよね・・・」



「せっかくだからジロちゃんと日吉も呼ぼう!樺地ー!2人も呼んできて?」
「ウスッ」





「それがなんなんだよ?」
「そもそも美しい技ってなんだと思います?」
「それはもちろん!・・・えっと」


「ガックンのアクロバティック!!」
「あれはテニスの技やないやろ」
「樺地のコピーテニス!!」
「美しさに欠けるなぁ・・・」





樺地に呼ばれたジローと日吉も加わり・・・本格的な話し合いが始まった。











「やっぱり美しいだけじゃなくて確実に決まる技じゃないと!」
「ジローのボレーは?」
「うー・・・どこか地味なんだよねー。もっとみんなが驚くような」
「おいっ」
「それで感心できて・・・」
「おいっ!」
「本人以外なかなか出来ないような技っつったら・・・」
「おいっ!俺様を無視してんじゃねぇ!!」




無視されることが大っ嫌いな俺様部長跡部様は自分だけが仲間外れにされていることにかなり苛立ちを感じていた。





「なんの話だ」
「いや、美技ってどんな技のこと言うのかな?って」


「あーん?そんなの俺のような技に決まってんだろ?」
「手塚の手塚ゾーン!!」
「あ、あれはすごい!!」

「聞けぇ!!!(激怒)」











「だってぇー跡部は確かに強いけど・・・」
「技はいたって普通なんやもん」
「インサイトはべつに美しいってわけじゃありませんしね」
「・・・・・・・・・・・。」


















「跡部さん拗ねちゃいましたよ?」
「ほっときなさいって!面白いから」
「機嫌が直ったら戻ってくるだろ」









さすが氷帝レギュラー陣。
部長が拗ねようがどうなろうが知ったこっちゃねぇ!っという顔をして話を再開。







「青学の不二周助!!」
「華麗だ!技とか確かに美しい!!」
「なんや、あいつと同じ技やったら俺もできるで?」









「「「パクったんだろ?(でしょう?)」」」












忍足は隅の方で拗ねている跡部の隣に座り一緒に拗ねた。














「考えてみれば・・・」
「うちのテニス部にはいないよね・・・美技」
「うん」
「自称美技の跡部さんはナルシストとインサイトを抜けばただのプレーヤーですし」
「日吉ーっ!!!」
「落ち着きぃ跡部!!!」
「日吉・・・お前跡部になんか恨みでもあんのか・・・?」





「うちの天才忍足侑士はしょせん不二の技パクってるだけだし」
「ひどいわ岳人!!!」
「ガックン・・・あんたパートナーに結構厳しいのね・・・」















「まぁ、俺達なんだかんだ言って跡部さんや忍足さんの力を信頼してるんですけどね」

「まぁな」

「俺達引っ張って行ってくれるのは跡部だけだCー♪」

「俺のアクロバティック支えてくれんのは侑士だけだぜ!!」

「でも、いずれ必ず下剋上は果たしてみせます」

「ウスッ」

「いい仲間持ってんじゃん!あんた達!!」







目指すは全国大会優勝!この仲間達で夢をつかめ!!
仲間との絆こそが優勝するための絶対条件なのだから。




















その後・・・1番美しい技は海堂のブーメランスネイクに決定した。









美技・・・見事な技。すばらしい演技。ファインプレーのこと。













2006.4.23