「表情っていうのは心を映し出す鏡なんだよ。

 言葉では嘘を言っていても、本当の気持ちはちゃんと顔に出るんだよ」















Battle 〜03〜     【 バトル 】















「困ったなぁ・・・」










本当に困ったように笑いながら頭をかく大石。
相変わらず笑みは絶やさない。










「君は俺とバトルを始めたいんだね?」

「後ろにいる奴ら全員でかかってきてもいいけど?」

「それは出来ない。1対7なんてルール違反だ。それに・・・君は女の子で」

「みんな最初はそう言うよ。でも結局・・・最後は全員でかかってきて私に負ける」










その言葉に、桃城はハッ!と声をあげた。










「あいつ・・・!もしかしてアレじゃないっスか!?噂の!!」

「月影の女ってやつか」

「もし本当にそうなら被害に遭ったチームは1組や2組じゃない。実力は確かにあると言っていいだろう」

「一体何が目的で・・・」










パァンッ!!





「ぅあ!?」





ザザザーッ!!










「「
大石(先輩)!!?」」










再び振り上げられた女の脚。
ガードをしたはずにも関わらず、大石の体は吹き飛び地面へ転がった。










「なんて威力・・・」

「女の蹴りがあんなに重いなんてこと・・・」










全員がア然とするなか、手塚は冷静に、突き刺すように口を開いた。










「大石。これはバトルだ。本気でいかなくてどうする」










大石は静かに頷くと立ち上がり、細く息を吐き出した。










「悪かったね。ここからは俺も本気だよ」

「そうこなくっちゃ」










ニヤッと口角を上げると、女は地面を蹴って大石との距離を一気に詰めた。










(速い・・・!!)










ヒュッ・・・!!



パァンッ!!











女の右足が大石のこめかみを狙うが、大石はそれを左腕でガードする。
そのまま女を脚を掴むと、大石はグルンッと体ごと1回転させた。










「おっと・・・」










視界が回転する中で、女は地面に両手をつくと
両足を広げながら体を捻り、左足の踵を大石の顔面狙って振り込んだ。











「大石!!」











予想だにしていなかった攻撃に大石は目を見開いた。










「しまっ・・・!!」



!!」










ピタッ・・・。










女の脚は大石の顔寸前で動きを止めた。
足を地面につけ立ち上がると、全員声が響いて来た方向へ顔を向けた。










・・・だよね?」










「えっ?不二先輩じゃないっスか?」

「え、えっ?どういうこと?不二、この子のこと知ってるの?」










メンバーは全員、困惑した様子で女と不二を交互に見る。
」と呼ばれた女は不二の姿に目をやると、小さく口を開いた。










「周助・・・くん?」



。探したよ・・・ずっと」










不二が1歩を踏み出した瞬間、 と呼ばれた女は弾かれたように背を向けて走り出した。










「待って! !!」










明かりが少ない、夜の道・・・。
通い慣れた道なのか的確に曲がり角を交錯し、グングンと距離は広がっていく。










!どうして!?」










目の前まで迫ってきた踏み切りの遮断機がカンカンと甲高い音を立てながらゆっくり降りてくる。
遮断機は2人を隔てるようなタイミングで不二を通せん坊した。










!!」










線路の向こう側に立つ女に向かって叫ぶ。
ゆっくり振り向いた女は小さく口を開いた。










「    」










「えっ?」





ガァアァァァー!!



ガタンッガタンッガタンッ!!










電車が音を立てながから不二の視界を遮る。
風を残しながら走り去っていった後には・・・人影などどこにもなかった。










「不二!!」

「不二先輩!!」










バタバタバタッ!!と不二の後を追ってきたのは取り残されていた青学メンバー。
肩を落とす不二の前に手塚が立ちはだかった。










「不二」

「あ・・・ごめんね。急に走り出したりなんかして」










いつもと変わらないように笑った不二だったが手塚を始め、全員の視線にまた小さく息を吐いた。










「彼女は・・・僕の幼馴染なんだ」

「幼馴染?」

「それなら・・・彼女はなぜ逃げた?不二のことはちゃんと認識していたようだが」

「わからない。でも・・・あの時、確かに」










踏み切りの向こう側で振り返った の唇は、あの時確かにこう言っていた。















――― 「ごめんね」















◆ ―――――――――― ◆

しまった・・・。

バトルをしている描写が上手く書けない・・・!!!

あぁあぁぁああののの!!(落ち着け)

雰囲気で分かってくださ(ぶっ飛ばすぞ)







2009.9.7