今まで積み上げてきた「時」が今・・・。
ガラガラと音を立てながら・・・
静かに崩れ落ちていく・・・。
No.29 『Fade』
こんなことって・・・。
誰もがそう思っただろう。
「
・・・」
扉を開けたら存在した・・・この人物を見ては。
「――― っ!!」
ダッ!!
「
っ!?」
何かに弾かれたように俺達に背を向けて走り出した
。
少し経ってからバタンッ!と玄関の扉が閉まる音が響いてきた。
「
・・・」
まるでビデオ再生のように
の顔が脳裏に蘇ってきた。
俺達の会話を聞き・・・顔を真っ青にして
脅えた瞳で俺を見上げていた・・・あの
の表情(かお)が。
「柳先輩!!」
後ろから強く肩を掴まれたかと思うと、正面から赤也が俺の両肩を前後に揺らした。
「追わねぇんスか!柳先輩!!」
「赤也・・・」
「柳先輩がそんなんでどうするんスか!!
先輩の従兄妹なんでしょ!?
先輩のことよくわかってるんじゃないんスか!!?」
「赤也。やめんしゃい」
仁王が止めると赤也は舌打ちをして乱暴に俺を突き放した。
「じゃあいいっスよ!俺が・・・俺が
先輩を連れ戻します」
「待ち・・・赤也!?」
バタンッ!!
「俺も赤也と行く!」
「俺も。後で来いよ・・・柳」
赤也が飛び出して行った後・・・丸井とジャッカルが後を追って出ていった。
すると幸村は飛び散ったガラスコップの側に静かに座り込み、口を開いた。
「冷たい飲み物を・・・用意してくれたんだね、
は。
僕達がミーティングをしてるんだと思って」
「そうですね・・・」
真田は俺に手を差し出し、柳生が軽く背中を押した。
「行くぞ。柳」
「行くって・・・」
「
さんを迎えに行くに決まってるでしょう?」
「まさかあの話を聞いたくらいで僕達が
を軽蔑するとでも思ってたの?」
「悪いのぅ・・・もう柳だけの姫さんじゃないけぇ。
お前さんが動かんとも俺達は行く・・・
を迎えに」
そうだ・・・。俺は顔を上げた。
今1番辛いのは・・・
だ。あいつが苦しんでる時に1人にしてどうする。
守ってやると約束したじゃないか・・・!!
キッ!と俺は前を向いた。
「行こう・・・!!」
俺達はペンションを飛び出すと、暗闇の続く道をただひたすら・・・
1人の女を捜しに駆けて行った・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
かなりベタですが許してください。
ベタ大好きなんです。1回くらい書きたいんです!!
1回くらい!!(わかった。わかった)
2007.12.23