人間は、自分を極限まで責め立てた時・・・


どういった行動をとるだろう?








No.1    『Fade』








堂々とそびえ立つこの建物は『立海大学附属中学校』



冬が過ぎて、風が心地よく感じられるようになったこの季節・・・
立海に存在する運動部はすべて、毎日のように練習に明け暮れていた。
特に目を引くのは男子テニス部。




2年連続の全国大会優勝校ということもあって練習に余念がない。
今年も全国大会優勝だ!っと期待の目がすべてテニス部に集まっているのだ。
・・・というわけで今日も朝からボールを打つ音が響いてくる。











「ちーっス!!!」


朝から元気よく挨拶をするのは全体の髪をあちらこちらに波打たせている
『切原 赤也』
立海テニス部の2年生。実力は確かであってレギュラー入りを果たしている。








「おーっス!赤也!!」
「めずらしいのぅ。遅刻魔の赤也が今日は時間通りに着いたけぇ。今日の天気は雨じゃな」


手を振って挨拶を返したのは赤髪でいつもフーセンガムを手放さない3年生。
『丸井 ブン太』

怒る赤也を見て「雨が降らんか心配じゃけぇ」と空を見上げるのは
長めの髪をいつも後ろで1つに括っている
『仁王 雅治』
ブン太と同じ3年だ。








「相変わらず朝から騒がしいですね・・・真田くんに怒られますよ?・・・・・・・・ジャッカルくんが」
「俺かよ!!?」


中指でクイッと眼鏡を押し上げるのは3年の
『柳生 比呂士』

その後ろで困惑しているのがハーフで肌の色が周りより格段に黒い
『ジャッカル 桑原』









「おはよーみんな。早いね」
「なに騒いでいるんだ!さっさと準備しろ!!」


爽やかな笑顔で部活に顔を出したのは、立海テニス部部長の
『幸村 精市』

その隣でキャップをかぶって部員達に渇を入れたのは立海テニス部副部長の
『真田 弦一郎』

2人とも3年だ。













「ちーっス。幸村部長!真田副部長!!」
「おはよう赤也。あれ?そういえば柳がまだだね?」
「蓮二ならさっき連絡があった。今日の朝練は出られないそうだ」
「柳がぁ?」
「めずらしいですね」
「ただの寝坊じゃないっスかぁ?」
「「「いや、赤也じゃあるまいし」」」
「なんスかそれぇ!!?」




赤也の講義もむなしく、全員に軽く無視されてテニス部の朝練は始まった。



















「そーいえば・・・」


練習中、ベンチで休憩していた仁王がそう言って後ろに顔を向けた。






「幸村ー。今日だか明日だかに新しいマネージャー決めるとか言っちょらんかった?」


「うん。もう昨日から応募かけてるんだ!それで・・・今日全員で面接して5人に絞る。
 そして絞った5人に部活に参加してもらって1番いい人を決めるよ」




「マジで!?新しいマネ決めんの?」
「やりぃ!どうせなら可愛い子がいいっスよね!!」





はしゃぐブン太と赤也の隣で、柳生が「しつもーん」といった様子で手を上げた。





「なに、柳生?」
「幸村くんはさっき「今日全員で面接して」っと言いましたよね?」
「うん!」
「つまり・・・私達も?」
「全員に出てもらうよ」
「ちなみにマネ希望者は何人いるんだ?」






「えっとねぇ。今日締め切ったんだけど、ざっと・・・・・・・200人?」













カランッ・・・と誰かがラケットを落とす音が聞こえた。
















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ヒロインちゃん登場せず!(ガーン!)
次回!!次回にはかならず!!!








2006.4.12